
簡単に分かる「ネットリサーチ」の基礎│やり方・活用のポイント!
目次[非表示]
はじめに
「ネットリサーチ」とは、インターネットを利用した様々な調査のことです。「インターネットリサーチ」「Web調査」「Webアンケート」とも呼ばれています。
最大の特徴は、郵送調査や街頭調査などの従来型調査と比べて回答を集めるスピードが早くかつ低コストで実施できる点です。また、回答者(モニター)は事前にプロフィール情報を登録していることが多く、年代、性別、職種、家族構成など、細かい条件まで調査対象者を絞り込むことができます。
ネットリサーチの特徴とは?
ネットリサーチの特徴を知るために、まずはネットリサーチの「メリット」と「デメリット」について説明します。
ネットリサーチの主な5つのメリット
ネットリサーチには、大きく5つのメリットがあります。
①ネットリサーチは、低コストで始められる!
ネットリサーチは、従来のリサーチ方法に比べて、比較的低コストでできるのが最大の魅力です!予算の問題で、実施したくてもできなかった企業も少なからずいましたが、低コストで実施できることで、利用する企業が年々拡大しています。
②ネットリサーチは、膨大な量のサンプルも回収できる!
利用するネットリサーチ会社にもよりますが、アンケートの回答者となる会員組織は数百万人規模で存在しています。その方たちに対して、100人、1,000人、10,000人など、小規模から大規模まで幅広く、サンプル数を集めることが可能です。
※サンプルとは、「アンケートの対象者(回答者)」という意味を示す専門用語です。
③ネットリサーチは、素早くサンプルを回収できる!
小規模なら一瞬でサンプルが回収できることも!回収に時間がかからないので、プロジェクトなどのスケジュール計画が組み立てやすいことは、とても大きな魅力です。
④アンケート回答者に、回答負荷がかかりにくい!
回答者に対して、画像や動画などをWEB上で簡単に見せることができるため、回答負荷もなく、アンケートを実施できます。
⑤アンケート回答者から、写真を回収することもできる!
選択肢から選んでもらったり、文章で回答するだけでなく、写真を回収することも可能です。
回収目的としては、冷蔵庫の中身・スマホのホーム画面、商品の収納場所、家の家具など様々な画像を回収※することができます。
※回収にあたり、調査対象者の負荷が上がる分、回収期間が長く必要になることがあります。
【参考】『調査票(アンケート設問)の作り方!必ず知っておきたいポイント』はこちらから
ネットリサーチの主な3つのデメリット
魅力的なメリットがある反面、デメリットもあります。
①回答者が、インターネットユーザーのみに偏る。
まず大前提として、アンケート回答者は、「インターネットユーザー(インターネットを利用している人)」のみに限定されます。
今の時代、インターネットの普及率はとても高いですが、高齢者など、中にはインターネットの利用率が低い世代もありますので、対象とする世代によっては、不向きの調査ともいえます。
②回答者が、操作ミスをする可能性がある。
回答する際、誤って操作してしまうことで、本来したかった回答ではない不適切な回答をしてしまう可能性がないとは言えません。また、重複して回答してしまう可能性もあります。
記述式の回答が多いなど、回答者が負担を感じてしまう質問が多いと、回答率が低くなってしまい回答数が集まらず、正確な回答が得られないという場合もあります。
③回答の信頼性が、低い場合がある。
アンケートに回答することで得られる「報酬」を目当てにしたモニターの場合、回答自体の質が低かったり、同一人物が複数回答えてしまう、といった可能性は0ではありません。
また、匿名性のアンケートの場合、本来は対象者ではない方が回答している可能性もあります。
このように、従来の調査法に比べて、デメリットと感じる面もあることを理解しておくことも、ネットリサーチを実施していく上では大切です。
ネットリサーチをおこなう「目的」とは
ネットリサーチを活用するために、まず大前提として、ネットリサーチの「目的」をしっかりと定めておく必要があります。
目的を整理すると、「実態把握」と「仮説検証」の大きく2つがあります。
「実態把握」とは、その名のとおり生活者の実態を把握するための調査です。
例えば、
「この商品は、どのくらいの方に知られているんだろう?」
「このサービスを利用したことがある人は、どのくらいいるのだろう?」
といったような疑問を解決するのが、「実態把握」の目的となります。
「仮説検証」とは、マーケッターをはじめとする方々の仮説が正しいのかどうかを確認する調査です。
例えば、
「このサービスを利用している人は、60%が満足している」
「この商品を知るきっかけとしては、CMに次いでSNSが多い」
といった仮説が正しいかどうか、を検証する調査が、「仮説検証」の目的となります。
この2つの調査目的を、組み合わせることもできます。
まず「実態把握」の調査を行い、その調査結果から仮説を立て、その仮説を再度調査で検証することもよくある方法です。
例えば、
「この商品の購入者は、SNSの利用者が多いので(実態把握にて)、SNSと連動した施策に大部分が興味を示す(仮説検証にて)」という仮説があるとします。
実態把握で『SNS利用』の質問を確認し、仮説検証で『SNSの施策の受容性を確認する』という内容となります。
そこで役立つのが、ネットリサーチです。ネットリサーチは、低コストで調査が実施できるため、1回分の実施費用で、目的を分けた2回分の調査実施を行うことが可能となるのです。
ネットリサーチの活用事例
ここまでネットリサーチの基本的な情報を説明してきました。ここからは、ネットリサーチが活躍する場を分かりやすく簡潔に紹介していきます。
①消費者の意識調査
●調査内容:商品やサービスへの「関心度」や「購入意思」を、事前に立てた『仮説』をもとに検証していきます。
●おすすめ:商品開発担当者、マーケティング担当者
●具体的な活用例:「消費者が求めているデザインや機能を調査して、商品開発の参考にしたい!」「自社ブランドのイメージや認知度を知りたい!」
②デザインのABテスト
●調査内容:『複数のデザイン案』や『コンセプト案』を提示して、それぞれの「イメージ」や「受容性」をアンケート調査します。
回答結果を参考に、より消費者が好む「コンセプト」や「クリエイティブ」を判断することが可能です。
●おすすめ:広告代理店、デザイナー
●具体的な活用例:「キャッチコピーやパッケージデザインの受容性を調べたい!」「広告を出稿する前後で、認知度の変化を調べたい!」
③顧客満足度調査
●調査内容:「購入された商品」や「利用されたサービス」に対して、「お客様の評価」を調査します。
回答結果から、現時点でのお客様の満足度を知ることができ、さらなる満足度の向上のため、『必要な課題の洗い出し』と『その対策をたてる』ことが可能です。
●おすすめ:営業担当者、販売員
●具体的な活用例:「プレゼンの企画書の裏付け・質を上げるための調査データが必要!」「特定のサービス利用者の満足度を調べたい!」「お店の接客の実態を把握したい!」
④プレスリリースの資料
●調査内容:自社の「ブログ記事」や「プレスリリース」などに、ネットリサーチで実施したアンケート調査の結果を載せることができます。
掲載内容に『説得力をもたせることができる』ので、より質の高いコンテンツを発信することが可能です。
●おすすめ:広報担当者、PR担当者
●具体的活用例:「オウンドメディアの記事作成のネタが欲しい!」「プレスリリースの裏付けとなる調査データが欲しい!」
⑤学術調査(アカデミック調査)の資料
●調査内容:社会調査の中でも、特に高い信頼性が求められる分野のため、アンケート調査は必須です。多忙なスケジュールの中でこなすには、ネットリサーチがとても適しているでしょう。
中でも「セルフ型」のネットリサーチは、時間に縛られることもなく、いろんな面で自由度が高いため、おすすめです。
●おすすめ:大学教授、教員、講師、学院生
●具体的な活用例:「時間がないなかで、裏付けデータをとりたい!」「卒論や修論に使えるデータをとりたい!」
⑥従業員満足度調査(ES調査)
●調査内容:従業員の実態を把握することで「働き方改革」をするための課題が見つかり、それを改善していくことで、従業員のモチベーションが上がります。結果、会社の成長に繋がっていきます。
従来の「担当者と従業員が対面する形式」ではなく、ネット上の「非対面形式」のほうが、回答者のあらゆる負担(時間の束縛や、非接触での回答方法等)を軽減できるというメリットがあります。
●おすすめ:総務担当者、人事担当者、経営者
●具体的な活用例:「社内の人間関係や、会社への不満を調査し、職場環境の改善に役立てたい!」「経営陣には見えていない会社の課題を知り、会社の成長に役立てたい!」
ネットリサーチのやり方
次に、ネットリサーチを実施する場合の一連の流れについて説明します。大きく分けると、6つの段階に分かれています。
①課題の整理、調査企画
→②調査票の作成
※作成方法の解説・調査票のテンプレートのダウンロード(無料)はこちらから
→③調査画面(アンケート画面)の作成
→④調査の実施、回収
→⑤集計、グラフ化
→⑥分析、報告書(レポート)の作成
※各段階の詳細は、『ネットリサーチ初心者マニュアル』のページにて解説していますので、合わせてご覧ください。
6段階もあると、一見、手間も時間もかかりそうな印象を受けますが、ここで知っておきたいのが、「アンケートに特化したツール」の存在です。取り入れることで、懸念していた問題がほぼ解決します。
各社から様々なツールが出ているので、自分のスタイルに合ったものを選び、積極的に活用されることをおすすめします!
【参考】低コスト&自由なアンケートを実現! 『セルフ型(DIY型)アンケートツールを選ぶコツ』はこちらから
【参考】従業員満足度調査が格段にやりやすくなる! 『アンケート作成ツール(ASP)の活用方法』はこちらから
すぐに役立つ!活用シーン別「調査票のテンプレート」と参考になる「調査レポート」
ネットリサーチの特徴ややり方が分かったところで、次は、すぐに使えるお役立ち資料をご紹介します。
無料ダウンロード!活用シーン別「調査票のテンプレート」
ネットリサーチに欠かせない「調査票の作成」にはコツがいるため、まずは自分の活用場面に合った調査票のサンプルを見て、真似をすることで、作業がスムーズに進むでしょう。
ここでは、『広告効果測定』『ランキング』『ブランド認知、イメージ』『商品コンセプト、価格』『ネーミング案、ABテスト』『パッケージ』の6パターンの調査票について、簡単なテンプレートを無料でご用意しました。
無料ダウンロード!参考になる「調査レポート」
前述したような「調査票」を使用し、アンケートを実施した後、回収できる「調査レポート」のサンプルも公開しています。アンケートの回収イメージを掴むためにも、ぜひご覧ください。
※ダウンロードできる主な調査レポート(随時更新されるため、下記は一例となります)
『お酒・自炊・備蓄に関するアンケート』、『新型コロナウイルス感染症に関するアンケート』、『在宅勤務に関するアンケート』、『週末の過ごし方に関するアンケート』等。
(無料ダウンロード後、ご覧いただくことができます)
※セルフ型アンケートツール「Freeasy(フリージー)」を利用しておこなったアンケートになります。
おわりに
ネットリサーチの基本的な情報について、具体的に解説してきましたが、いかがでしたか?コツをうまく掴んで効率的に活用し、今後ますます拡大していくと言われているネットリサーチ市場の波に乗っていきましょう!