セルフ型(DIY型)アンケート(リサーチ)を選ぶコツやポイントとは!
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はじめに
セルフ型アンケートツールと聞くと、自分自身ですべて対応する必要があり大変・面倒なのでは?とネガティブな印象を持つ方も多いのではないでしょうか?
従来型とセルフ型ではそれぞれメリット・デメリットがありますが、技術の進歩とともにセルフ型でできるネットリサーチの幅は広がっています。
まずはどのようなことができるのかを知っていただきご自身のマーケティング活動に活かしていただければと思います。
1.始まりから終わりまでセルフで完結できるか?
アンケート調査の工程
まずはアンケート調査をする際「どのような流れで進むのか」について、作業の工程を確認してみましょう。
1.調査の目的を整理
ネットリサーチをおこなう目的を整理しておきましょう。アンケートを実施すること自体が目的になってはいけません。結果の利用目的についてもしっかりと整理することが大切です。
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2.ターゲット選定
調査では、「①誰に」「②何を聞くか」をしっかり構成しておきましょう。
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3.仮説構築
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4.調査票・Web画面作成
実際にアンケートの調査票を作ります。オンライン上のアンケートの場合は、Web画面を作成していきます。
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5.回収
アンケートの質問、回答の選択肢などが完成したら、いよいよアンケートの実施です。結果を集めることを回収といいます。
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6.集計・分析・レポート
アンケートは回収が目的ではありません。その先の、集計、分析をいかに上手にやるか&活かすかによって、アンケートは価値を最大限に発揮するのです。
参考:ブログ「調査票の作り方」
セルフ型アンケートを好む人とはどんな人か
・今までネットリサーチを実施したことが無く、コストもかけづらいが始めたいと思っている人
・自分自身で調査設計や集計もできるため、実査だけ依頼できれば十分な方
・営業時間などに縛られることなく好きなタイミングでアンケートを実施したい方
すべて自分で完結できる!
アンケートの作成から配信まで、すべて自分だけで完結させることができます。確認作業などの面倒なやり取りが発生しないので、なるべく他者と関わらずに、自分でやりたい!という方にはとても向いているでしょう。
従来型の場合、アンケートの作成を依頼した会社の営業時間内(例えば平日の9時~17時など)にしか作成・配信ができないなどの制約がありますが、セルフ型の場合、なかには24時間いつでもアンケートの作成から配信までできるツールもありますので、自分のタイムスケジュールに合わせて取り掛かることができます。
土日勤務のサービス業の方や、研究員、医療従事者の方にもご利用いただきやすいですね。
コストをなるべく安くおさえたい!
自分自身で対応する箇所が多いため、その分、他人の手が掛からない=人件費をおさえられるため、一般的には従来型よりもコストを削減することができます。
1問1回答10円、最低500円から実施が可能なツールもあり、その場合は、従来型ネットリサーチと比べて約1/8のコストで実施できるという驚きの低コストの実現も夢ではありません。
そのため、今まで年に数回しかアンケートを実施することができなかった企業でも、大規模な調査や複数回の調査、気になったタイミングで調査本数を増やすことができます。
また、アンケートの予算を削減できた分、市場調査以外のマーケティング施策へ予算を費やすことができ、マーケティングコストを最大化することができます。
2.スピードの速さは最重要!
インターネットの発展により、様々なデータをより収集しやすくなり、ネットリサーチを実施しなくてもわかる情報は増えました。
しかしその一方で、消費者の感情は調査を行わないとわからないことが多いです。突然の災害や環境の変化で、日々、人の感情は変化します。
その"今しかない”タイミングで、必要な調査を行うためには、スピードの速さは欠かせません。ビジネスにおいても意思決定スピードは重要となっており、社内会議で決まったことを翌日には裏づけデータを取るスピード感があれば、競合他社に対しても差をつけることができます。
アンケートをすぐに開始したい
セルフ型アンケートツールの中には、アカウント登録をすれば、最短即日で利用が可能なものもあります。
画面を作成後、最短10分後にはアンケートを開始することができたり、午前中に企画した調査を、その日中に実施することも可能なのです。
回収までのスピードの速さ
アンケート開始後は、リアルタイムでデータが見られるツールもあります。一般的に、50サンプル程度の回収ができてしまえば、開始後1時間以内に傾向を把握することができます。
例えば、数百万人の登録モニタがいる場合、100人程度であれば数十分から数時間で回収ができます。1,000人規模でも1日かからず、数万人の調査でも1週間かからずに集めることも可能です。
3.コストは予算の範囲か?適正か?
料金の項目・含まれる範囲
アンケート調査にかかる料金について、導入するツールによって異なりますが、多くは「登録料」、「月額固定費」がかかります。
無料で使えるツールの場合は、回答者をご自身で集めるケース(イベント参加者や来店客、SNSなど)が多いようです。
調査モニタへアンケートを行う場合は、設問数×回収数に対して費用がかかることが多く、1問×1回答=●円、と設定されていることがほとんどです。
対象者を絞り込む場合は、例えば「20代男性」といった、いわゆる『基本属性』で絞り込みを行う場合は、追加費用は掛からないケースが多いです。
しかし、『特定の●●という商品を使う方、100人』といった、趣味趣向などで対象者を絞り込む場合は、「スクリーニング費用」が追加でかかります。
基本料金の中には、ローデータ(生データ)と単純集計が納品物として含まれることが一般的です。
調査企画・設計から集計・分析・レポート作成にはオプション費用がかかります。
画面作成代行や画像添付、割付設定(各年代均等回収など)に関しては、無料のケースもあればオプションとしているサービスもありますので、必要な項目についてはしっかりと比較することをおすすめします。
4.登録モニターについて
登録モニター数は多いか?
登録モニター数は、多い方が様々な調査を実施することができますので、メリットになります。
例えば、「沖縄県の方100人にアンケートを回収する」といった際、実施が可能かどうかは、各社で異なります。
また、属性に偏りがある場合はデータにバイアスがかかるため注意が必要です。例えば、40~50代のパネルが多い場合、20代以上でアンケートを実施すると、20代が少なく40~50代が大半を占めるということも起こり得ます。
これは、「割付設定」をすることで、防ぐことができます。
属性は豊富か?
対象者の属性(事前に絞り込める条件)は、多い方が利用しやすいです。
例えば、同じ20代でも、学生なのか社会人なのか、未婚なのか既婚なのかによって、生活や思考は異なりますので、調査目的にあったターゲットに絞って調査をすることをおすすめします。
属性情報は、半年~1年ごとに更新しているケースがほとんどです。結婚や居住地の情報は変わることも想定されますため、より確実な情報で精度を上げて調査をしたい方は、毎回スクリーニングを行って、最新の情報で調査をした方が良いです。
しかしそこまで実施するケースは稀で、実施後のデータクリーニングで不適切回答者を省く場合が多いです。
登録前に属性の情報をどのぐらい開示しているか?
登録モニターの属性を事前に知ることができれば、アンケート対象者がいる・いないを分かったうえで、ツールの選択をすることができます。
興味があるツールの営業担当者へ問合せをして、想定回収数を提案してもらったり、ツールによっては、ツール内にて自分自身で検索できる場合もあります。
どのサービスでも、基本的には想定回収数は無料で開示しているケースが多いので、事前に確認したうえで、調査設計することをおすすめします。
5.基本的な機能の充実度は?
ここでは、ツールの具体的な機能の充実具合をチェックするためのポイントについて解説します。
実施デバイスの多様性
タブレットやスマホで実施したい
スマートフォン、タブレット、PCといった、さまざまなデバイスから回答できるツールが多いですが、ツール選択のポイントとしては、PCよりも画面の小さいスマートフォンで、ストレスなく回答できる回答画面のデザインになっているものが良いです。
ツール提供会社が休みのときでも、アンケートが実施できる
提供会社の営業時間内、例えば平日の9時から17時にしかアンケートを実施できない、などの時間の縛りがあるツールは、おすすめできません。
昨今リモートワークも多くなり、いつでもどこからでもアクセスができて調査ができるツールが、今の働き方に合っていると言えるでしょう。
見積書、請求書、納品書への柔軟な対応
見積書、請求書、納品書もセルフで作成できるツールがおすすめです。営業担当者からの返答を待っていて、数日プロジェクトの進行が遅れてしまう、といったことは、この頃はなくなっています。
決済方法
請求書支払い(銀行振込)が多いですが、社会情勢もあり、コンビニ決済やクレジットカードなど、様々な支払い方法が増えてきています。
設問形式
単一回答・複数回答・マトリクス・自由回答・順位付け回答が可能なツールが一般的です。
さらに分岐設定や、選択肢の表示・非表示、任意・必須回答の選択などができれば、従来型のネットリサーチでできる機能は網羅しているといえます。
回答手段の多様性
アンケートに回答するためには、回答画面へアクセスする必要があります。中にはQRコードを使ってスマートフォンで読み込むことで、すぐにアンケートに回答できるツールもあります。
集計、グラフ化、企画書への反映
リアルタイムで集計をして、集計されたグラフの画像データをそのまま企画書に貼り付けることができる機能が備わっていれば、資料作成の工数を減らすことができ、大変便利です。
アカウントや予算の管理
アカウントの管理者は、メンバーの追加やメンバーごとの権限を管理できることが多いです。例えば、個人で実施した案件しか閲覧することができないが、あるプロジェクトメンバーには全体の結果が閲覧できるなど、細かい制限をかけられるとさらに便利です。
また、管理者だけが予算管理をできる機能があれば、予算以上に使い過ぎるといった心配がありません。
6.こんな機能もあれば文句なし!
ツールによっては、基本的な機能以外にも、さらに充実した機能を持っている場合があります。特におすすめの機能をご紹介します。
たったワンクリックでアンケート分析
ワンクリックするだけでクロス集計ができたり、性年代といった属性クロスから設問間クロスまでを簡単に集計をすることができると、時短になり、とても便利です。
特定の回答者をモニタ化
同じ回答者へ定期的に調査をする定点調査や、前回の回答者を除外する、自社商品購入者(ファン)へアンケートを実施する、など、モニタ自体を管理する機能があると非常に便利です。
自社のファンを新たに囲い込むにはコストと時間がかかります。モニタ構築できるアンケートツールなら、自社パネルをすぐに構築することができます。
画像回収
スマートフォンからアンケートを回収できるようになったことで、その場で写真を撮り画像をアップすることが手軽にできるようになりました。例えば、冷蔵庫の中身やカバンの中など日常の一部を調査することができます。
7.企業や学校のルールに柔軟に対応してくれるか?
企業や学校(大学等)には、個人で利用する場合と異なり、外部ツールを使用するにはオリジナルのルールが存在することも多いです。事前にお問合せフォームや営業担当者に、ツールの運用保守管理に関して質問してみるといいでしょう。
取引先にどんなところがあるかを見るのもおすすめです。一部上場企業や官公庁などあらゆる団体や企業と取引実績があれば安心材料となるでしょう。
大学などの学術調査で利用したい場合は、公費や研究費に対応した実績があると安心です。領収書の発行など柔軟に対応しているところも多いです。
8.セルフ型とはいえ安心のサポート体制は必須!
新しいツールを導入する際、操作方法がわからない、説明書を読みこまなければいけないのかと不安に思う方も多いかと思いますが、セルフ型のツールを提供している会社は、万全のサポート体制を導入している会社がほとんどです。
専任の営業担当者や実査担当者がついていたり、お問合わせフォームが充実していたり、電話やメールでの対応はもちろん、チャット機能やオンライン商談システム、Web上で画面を共有しながら操作方法をご案内するなど、充実しています。
よくある、設問内容の添削を相談したい場合は、発注後、設問文の言葉尻や調査の流れ、矛盾回答が生じないかなどは、実査担当がチェックしてくれるようです。これから調査を始めたいという初心者の方でも安心して利用できますね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?調査目的、調査設計ができてしまえれば実査はセルフ型アンケートツールで十分対応できるケースも多いです。
調査目的や解決したい課題に対して従来型とセルフ型どちらが良いのか選んでいただくことをおすすめいたします。