はじめに

セルフ型アンケートは、アンケート作成から配信・集計までを自分で完結できるネットリサーチ手法です。

すべて自分で対応するのは面倒そう…と不安に思う方も多いのではないでしょうか?しかし、近年は技術の進歩により、セルフ型でできるネットリサーチの幅が大きく広がっています。

本記事では、セルフ型アンケートを導入するか迷っている方に向けて、「向いているケース」、「メリット・デメリット」、「失敗しない選び方」に絞って解説します。

セルフ型アンケートはどんなケースで向いている?

セルフ型アンケートは、「誰でも万能」というわけではありませんが、特定の条件・シーンでは非常に高い効果を発揮します。

ここでは、これまで解説してきたメリット・デメリットを踏まえ、「セルフ型アンケートが特に向いているケース」を具体的に紹介します。

ネットリサーチ初心者で、低コストから始めたい場合

セルフ型アンケートは、初めてネットリサーチを行う方でも始めやすい手法です。数百円から実施できるツールもあり、まずは簡単なアンケートで試したい方が予算を抑えて小さく試すことができます。

調査をスピーディに回したい場合

セルフ型アンケートは、思い立ったタイミングですぐに実施できることが特長です。即日配信・短時間回収が可能なため、市場や顧客の変化をタイムリーに捉えたい!といったスピード重視の調査に適しています。

営業時間に縛られず、自分のタイミングで実施したい場合

セルフ型アンケートなら、時間や場所を選ばず調査が可能です。平日の昼間に限らず、「忙しくて日中に作業時間が取れない」方でも夜間や土日でも調査を進めることができます。

調査設計〜集計まで自分でコントロールしたい場合

自分で設問作成から集計までを管理したい方に向いています。
また、調査ノウハウを社内に蓄積したい場合にも向いていて、結果を見ながら設問を改善し、次の調査に活かすことも可能です。

仮説検証や定点観測を繰り返したい場合

低コストで何度も実施できるので、仮説検証や継続調査に適しています。
同じ調査を定期的に行うことで、変化や傾向を把握できます。

(補足)セルフ型アンケートが向いていないケース

セルフ型アンケートは非常に便利な手法ですが、すべての調査に最適というわけではありません
以下のようなケースにおいては、慎重に検討し、従来型の調査との併用がおすすめです。

調査設計や分析に不安がある場合

調査目的がしっかり整理できていない状態でアンケートを実施すると、「データは集まったが、何も判断できない」という結果になりがちです。

「何を検証したいのか分からない」、「設問設計に自身が無い」、「集計や分析の経験がほとんどない」場合は、サポートが充実したセルフ型ツールや、一部を外部に任せるハイブリッド型調査の活用を検討するのもいいでしょう。

高度な分析や、レポーティングが必要な場合

経営判断や社外提出資料など、多変量解析や専門的な考察レポートが求められる調査では、セルフ型では負担が大きくなることがあります。その場合は、「実査はセルフ型、分析は外部支援」のような使い分けが有効です。

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セルフ型アンケートのメリット

1.作成から配信まで自分で完結できる

セルフ型アンケートツールなら、アンケートの作成から配信まで自分で完結できます。

従来型では、依頼先とのやり取りや営業時間の制約(平日9時~17時など)がありましたが、セルフ型なら24時間いつでも作成・配信可能なツールもあります。

土日勤務のサービス業や研究職、医療従事者にもおすすめです。

2. コストを大幅に削減できる

セルフ型は自分で対応することが多いため、人件費がかからず、従来型よりも低コストで実施可能です。
例えば、1問1回答10円、最低500円から利用できるツールもあり、従来型の約1/8のコストで調査できるケースもあります。

今まで年に数回しかアンケートを実施することができなかった企業でも、大規模な調査や複数回の調査、気になったタイミングで調査本数を増やすことが可能に。
浮いた予算を他のマーケティング施策に回せるのも大きなメリットです。

3. スピード重視で即日調査が可能

インターネットの進化によって、さまざまなデータを簡単に収集できるようになり、ネットリサーチを行わなくても得られる情報は増えています。しかし一方で、消費者の感情や意識は調査をしなければ把握できないことが多いのです。突然の災害や環境変化によって、人々の価値観や行動は日々変化します。

その「今しかない」タイミングで必要な調査を行うためには、スピードが不可欠です。

ビジネスにおいても意思決定の速さは競争力に直結します。社内会議で決まったことを翌日には裏づけデータで検証できれば、競合に大きな差をつけることができます。

セルフ型アンケートツールなら、アカウント登録後すぐに利用開始できるものもあり、午前中に企画した調査をその日のうちに実施可能。さらに、リアルタイムで結果を確認できます。
例えば、100サンプルなら1時間以内、1,000人規模でも1日以内に回収できるケースもあります。

スピードが求められる調査において、セルフ型アンケートツールは有効な選択肢の一つとなっています。

他のメリットについても知りたい方は、🔗「こちらの記事内>セルフ型アンケートのメリット」も参考にしてください。

セルフ型アンケートのデメリット

1.専門性不足による「設計の甘さ」、操作ミス・回答負荷による回答の質の低下

セルフ型アンケートでは、設問作成を自分で行うため、リサーチの専門性が十分でない場合、設問設計が甘くなるリスクがあります。

調査目的に合わない質問や、設問文の表現や設定ミスは、回答者に負担をかける設問構成になります。また、操作誤りによる不適切回答や記述式設問の多さによる回答率低下が発生することがあります。

データの信頼性が下がり、結果として「数値は取れたが、判断や改善に使えないデータ」になる可能性が否めません。

しかし、設問のテンプレートを使用したり、事前チェック機能やサポート体制が整ったツールを選ぶことで、こういったリスクを大きく軽減することができます。

2.信頼性の低いモニターの存在

報酬目的でいい加減に回答するケースや、成りすまし、重複登録のリスクがゼロではありません。

多くのセルフ型アンケートツールでは、不正回答検知や重複回答の排除など、品質管理を強化する仕組みも導入されていて、実務上支障のないレベルまで品質を高めることが可能です。

他のデメリットについても知りたい方は、🔗「こちらの記事内>セルフ型アンケートのメリット」も参考にしてください。

セルフ型アンケートツールの選び方【7つのコツ】

1. 調査目的とターゲットを明確に

調査の目的を整理し、「誰に」「何を聞くか」を明確に!
常に仮説を立てて検証する流れを意識しましょう。

🔗関連記事:「アンケートの作り方」を読む
🔗関連記事:「仮説の立て方とは?」を読む

2. 登録モニターの質と数を確認

登録モニター数は多いか?

モニター数が多いほど、地域や属性を絞った調査が可能になります。
例えば「沖縄県の方100人にアンケートを回収する」など、特定条件での調査ができるかはツールによって異なります。

属性の偏りに注意

登録モニターに年齢や性別といった属性に偏りがある場合、データにバイアスがかかります。
例えば「40~50代が多いパネルで20代対象の調査をする」と、結果が偏る可能性があります。

割付設定(年代均等回収など)ができるツールを選ぶことで、この問題を防げます。

属性情報の豊富さと更新頻度

属性条件は多いほどターゲットを絞りやすくなります。
例えば、同じ20代でも、学生・社会人、未婚・既婚、で生活や価値観は異なります。

属性情報は半年~1年ごとに更新されるケースが多いので、最新情報で調査したい場合はスクリーニングを行うと精度が上がります。

しかしそこまで実施するケースは稀で、実施後のデータクリーニングで不適切回答者を省く場合も多いです。

登録前に属性情報を確認できるか?

登録モニターの属性を事前に知ることができれば、アンケート対象者がいる・いないを分かったうえで、ツールの選択をすることができます。

営業担当者に想定回収数を確認したり、事前にツール内でモニター属性を検索できる場合もあります。

多くのサービスでは、想定回収数は無料で開示しているケースが多いので、必ず確認してから調査設計を行いましょう。

3. 基本機能(設問形式・集計機能)の充実度

対応デバイス

スマートフォン、タブレット、PCなど、複数のデバイスで快適に回答できるかは必須条件です。
特にスマホ対応は重要。画面が小さいスマホでもストレスなく回答できるUI設計になっているか確認しましょう。

設問形式の多様性

時間の制約がないか

提供会社の営業時間に縛られず、24時間いつでもアンケート実施可能なツールを選びましょう。
リモートワークや柔軟な働き方に対応できることが重要です。

見積書・請求書・納品書への対応

見積書や請求書、納品書をセルフで作成できる機能があると、営業担当者の返答待ちによる遅延を防げます。

決済方法の柔軟性

請求書払い(銀行振込)だけでなく、クレジットカードやコンビニ決済など多様な支払い方法に対応しているか確認しましょう。

回答手段の多様性

回答画面へのアクセス方法も重要です。QRコードを読み込んでスマホから簡単に回答できる機能があると便利です。

🔗関連記事:「アンケート回答の集め方(手段)」を読む

アカウント・予算管理機能

管理者がメンバー追加や権限設定(例えば、個人で実施した案件しか閲覧することができない等)を細かく管理できると便利です。また、予算管理機能があれば、使い過ぎ防止にも役立ちます。

4.コストと料金体系(追加費用を含めて比較)

基本料金

登録料月額固定費がかかる場合があります。

無料ツールの場合は、回答者を自分で集める必要があるケース(イベント参加者や来店客、SNSなど)が多いです。

なお基本料金の中には、ローデータ(生データ)単純集計が納品物として含まれることが一般的です。

回収単価

「設問数 × 回収数」で料金が決まるツールも多くあります。
例:1問1回答10円、最低500円から利用可能なツールもあり、従来型より圧倒的に低コストです。

スクリーニング費用

「20代男性」などいわゆる基本属性で絞る場合は追加費用なしが一般的ですが、「特定の商品を使う人100人」など趣味嗜好で絞る場合などは、スクリーニング費用が発生します。

オプション費用

調査企画・設計、集計・分析、レポート作成はオプション扱いが多いです。

画面作成代行や画像添付、割付設定(年代均等回収など)は無料の場合もありますが、ツールによって異なるため比較が必要です。

5.サポート体制

セルフ型とはいえ、安心のサポート体制は必須です。

サポート内容と安心ポイント

  • 多様なサポート手段:チャット、メール、電話対応に加え、オンライン商談や画面共有で操作説明をしてくれるツールもあります。
  • 初心者向けサポート:設問文の言葉尻といった細かい点も含め、設問内容の添削や調査設計の相談ができるサービスがあると、初めての方でも安心です。
  • 専任担当者のサポート:営業担当や実査担当がつくケースもあり、操作方法や設問チェックを丁寧にサポートしてくれます。
  • 自己解決のためのリソース:FAQや動画マニュアルが充実しているかも確認しましょう。これにより、トラブル時も迅速に対応できます。

6. こんな機能もあれば文句なし!

ワンクリックでクロス集計

ボタンひとつでクロス集計ができる機能は、分析のスピードを大幅に向上させます。

性年代などの属性クロスや設問間クロスを簡単に実施できると、レポート作成の工数削減にもつながります。

モニター管理機能(定点調査・自社パネル構築)

同じ回答者に定期的に調査を行う「定点調査」や、前回の回答者を除外する機能があると便利です。

自社商品購入者(ファン)を対象にしたアンケートや、自社パネルの構築が可能なツールなら、マーケティング戦略に活用できます。

新規でファンを囲い込むには時間とコストがかかりますが、モニター管理機能があれば、既存顧客を効率的に活用できます。

画像回収機能

スマートフォンから写真をアップロードできる機能は、生活実態調査に最適です。
例えば、冷蔵庫の中身、カバンの中など、日常の一部を簡単に収集できます。

7. 企業や学校のルールに柔軟対応できるか

外部ツール利用時のルール確認

企業や大学では、外部サービス利用に関する独自ルールがある場合があります。

事前に問い合わせフォームや営業担当者に、運用保守やセキュリティ対応について確認しましょう。

取引実績の確認

官公庁や一部上場企業、大学などとの取引実績があるツールは信頼性が高いです。

実績が豊富なサービスは、セキュリティやコンプライアンス面でも安心材料となります。

公費・研究費対応、領収書発行

学術調査や大学での利用では、公費や研究費に対応できるかが重要です。
領収書や請求書の発行に柔軟に対応しているツールも多いです。

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よくある質問

Q1:セルフ型アンケートと従来型アンケートの一番の違いは何ですか?

セルフ型アンケートとは、アンケートの作成から配信、集計までを自分で完結できるネットリサーチの方法です。従来型との一番の違いは、「依頼先に頼らず、24時間好きなタイミングで調査できる自由度」です。

Q2:セルフ型アンケートツールを選ぶ際、セキュリティ面で確認すべきポイントは?

個人情報を扱うため、セキュリティは重要です。選定時には以下を確認しましょう。

  • SSL暗号化通信が導入されているか

  • データ保存場所(国内・海外)プライバシーポリシー

  • アクセス権限管理機能があるか(社内での情報漏えい防止)

  • ISO27001などの認証取得があると安心です

まとめ│メリット・デメリットを理解して最適なセルフ型アンケートツールを選ぼう

セルフ型アンケートは、スピード・コスト・自由度の面では従来型より優れています。
マーケティングや市場調査を効率化したい場合は、セルフ型アンケートツールの導入を検討してください

ただし、調査目的や課題に応じて、従来型とセルフ型を使い分けることが重要です。調査目的によっては、従来型調査の方が適している場合もあります。

比較して最適な導入方法を選ぶことで、マーケティング調査の精度と効率が大幅に向上します。

柏田宮亜
柏田宮亜
この記事はアイブリッジ 柏田宮亜が編集・構成を担当しました(編集者 / コンテンツディレクター)。2020年6月よりセルフ型アンケートツール『Freeasy』に関わり、記事の編集・構成を担当。読者の目線に立って、わかりやすく、役立つ情報を届けられるよう心がけています。

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