
デプスインタビューとは?目的・手法・活用・実践まで解説
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この記事を読んで分かること、できるようになること
●デプスインタビューの意味や目的など、基礎を正しく理解できる。
●デプスインタビューのコツ、注意点、報告書の事例など、実践に役立つノウハウを習得できる。
●デプスインタビューにまつわるマニュアルを入手できる(無料ダウンロード)。
デプスインタビューとは
デプスインタビュー(Depth Interview)とは、調査者(インタビュアー)が調査対象者(インタビュイー)1人に対して、1対1(One on One)で行う定性調査の手法の1つです。
対象者の行動の背景にある「価値観」「感情」「動機」などを深く掘り下げて理解することで、対象者が自覚していない潜在的なニーズや心理を丁寧に掘り起こすことが目的です。
デプスインタビューの活用場面
デプスインタビューは、以下のような場面での活用が有効です。
- 商品・サービス開発前のインサイト探索
- UXリサーチ(ユーザー行動の理解)
- ブランド認知・ブランドイメージの調査
- 広告・コピー開発の事前調査
- カスタマージャーニーマップの作成
デプスインタビューの4つのメリット
深層心理の探索ができる
デプスインタビューの最大の特徴は、対象者の「本音」や「価値観」、さらには無自覚な「潜在ニーズ」まで掘り下げる点にあります。
例えば、「この商品が好き」と答えた理由が、見た目の好みではなく「安心感」や「幼少期の体験」に由来していたことが判明するなど、意外な動機の発見につながります。
柔軟なアプローチができる
デプスインタビューでは、会話の流れに応じて質問内容や順序を調整することができます。調査対象者の語り口や感情の動きに合わせ、より深く、自然な形で掘り下げが可能です。
思考・行動のプロセスを明らかにできる
調査対象者が「何を考えて」「どう感じて」「どう行動したか」というプロセスを、時系列で丁寧にたどっていくことができます。
そのため、ユーザーの意思決定の背景や、カスタマージャーニーにおける感情の起伏なども明確に浮き彫りにすることができます。
サンプル数が少なくても深い示唆が得られる
デプスインタビューは、サンプル数が少なくても「質の高い情報」を得ることができます。
5〜10人程度のインタビューでも、パターン化・傾向の見極めに十分なヒントを得られることが多くあります。
デプスインタビューの4つのデメリット
時間がかかる
一人ひとりに対して長時間のインタビューが必要なため、準備・実施・分析で時間がかかります。
サンプル数が少ない
統計的な一般化は不可能です。あくまで「深さ」が重視されるため、「広さ」(母集団全体の傾向)を把握することはできません。
デプスインタビューはあくまで「仮説生成」に有効であり、「仮説検証」には向いていないことに留意しましょう。
インタビュアーのスキルに左右される
質の高いインタビューを行うには、高度な聞き方・掘り下げ方のスキルが必要です。
分析の難しさ
得られるデータが定性的(定量調査のように構造化されていない)かつ膨大なため、分析には専門的な知識が求められます。
さらに、客観性や再現性の確保が難しく、解釈に分析者の主観が入りやすいことは否めません。
定性調査の種類、違い(比較)
定性調査の代名詞といえるのが、グループインタビュー(GI)、そしてデプスインタビュー(DI)です。近年ではエスノグラフィー(参与観察)も有力な定性調査として注目されています。
デプスインタビュー
形式
1対1のインタビュー
目的
深層心理の掘り下げ
特徴
はっきりと言語化できない、本音や葛藤に迫ることに向いており、理由を深掘りすることができる。
グループインタビュー
形式
1対1のインタビュー
目的
深層心理の掘り下げ
特徴
調査対象者同士の意見の比較や、グループ全体の集合的なニーズ・ウォンツを把握できる。
エスノグラフィー
形式
生活観察+インタビュー
目的
実際の行動・文脈の理解
特徴
調査対象者の「行動と言葉のズレ」や、環境に基づいた無意識の行動特性を把握するのに効果的。
デプスインタビューを成功させるポイント
デプスインタビューは、対象者の発言を自然な形で引き出す必要があるため、インタビュアーには高い注意力と繊細な対応が求められます。インタビューの実施時に役立つ、質問におけるポイントと注意すべきポイントを説明します。
質問におけるポイント
質問の分類と使い分け
主質問(メインクエスチョン)
本題の起点になる質問のことです。例:「直近でこの商品を利用したのは、どんなときでしたか?」
補助質問(フォローアップ)
詳細を引き出す質問のことです。例:「それはなぜですか?」「どう感じましたか?」
深掘り質問(プロービング)
より本質を探るための追加質問のことです。例:「そのとき、ほかの選択肢は考えませんでしたか?」
深掘り質問の代表的な手法
5 Whys(5回のなぜ)
「なぜ?」を繰り返すことです。
再現法(リプレイ法)
実際のシーンを思い出してもらい、詳細を語ってもらうことです。
対比法
「それと比べて、○○の場合はどうですか?」など比べて聞く質問のことです。
ラポール(信頼関係)の築き方
デプスインタビューにおいて、ラポール=信頼関係を構築することはとても重要です。
- 表情・うなずき・相槌など、共感を示す反応
- 対象者の言葉を否定しない(正解・不正解の評価をしない)
- 中立的な態度を保ちつつ、話しやすい空気を作る
- プライベートな話題は無理に掘り下げない
話の遮り方と促し方のコツ
対象者が頭の中で考えをまとめているとき、感情が高まって自己開示しているときは、話を遮るべきではありません。また、適切な促し方としては下記の通りです。
- 「もう少し、詳しく教えていただけますか?」
- 「具体的なエピソードがあれば、ぜひ教えてください」
- 「そのときどのように感じましたか?」
デプスインタビューの注意点
誘導的な質問はNG
この商品、便利ですよね?│多くの人がこう言ってますが、どう思いますか?
中立的な質問はOK
この商品を使ってみて、どう感じましたか?│あなた自身は、どのように捉えていますか?
Yes/Noを問う質問はNG
この商品、好きですか?│あなたはこの意見に賛成ですか、反対ですか?
相手の言葉を否定しない
NGの例:それは違いますね│他の人はそう思っていませんよ
OKの例:なるほど、そう感じたのですね│もう少し詳しく教えていただけますか?
沈黙への対応
対象者が考えをまとめている可能性があるため、無理をせず、待つ姿勢が大切。
3秒~5秒程度の「ゆとり」を持つことで、相手は深いことを話しやすくなる。
今、思い出していらっしゃいますか?│もし答えにくければ、次の話題に移りましょうか?
ノンバーバル(非言語)への配慮
・言葉以外の情報(表情・態度・声のトーンなど)にも注意を払う。
・話しづらそうにしている場合、無理に深掘りしない。
・声が小さくなった場合は、感情に触れた可能性。
デプスインタビューの実施-1.準備編
デプスインタビューを成功させるために、インタビューの「前準備」はとても重要です。
[1]調査目的の明確化
まず最初に、インタビューを行う目的を明確化することが大切です。目的が曖昧なままでは、適切対象者の選定どころか、的確な質問もできません。
以下、デプスインタビューの目的設定の例を挙げます。
- 新商品のニーズ探索UXリサーチ(ユーザー行動の理解)
- サービス利用時の不満点の把握
- ブランドイメージの形成要因の理解
- 離脱ユーザーの行動心理の把握
[2]リクルーティング(調査対象者の選定)
リクルーティングで適切な調査対象者を選べるかによって、インタビューの質は大きく左右されます。以下の観点から、明確な選定基準を設けましょう。
- 性別・年齢・職業・居住地などのデモグラフィック属性
- 商品・サービスの利用有無(ユーザー/非ユーザー)
- 行動パターン(購入頻度、情報収集手段など)
- 調査テーマに関連する経験の有無(例:育児経験など)
[3]スクリーニング
インタビューの対象者を絞り込むために、事前にアンケート(スクリーニング調査)を実施するのが一般的です。
[4]インタビューガイドの作成
インタビューでは柔軟性が求められますが、事前にインタビューガイドを作成しておくことは欠かせません。その目的は、対話の流れを設計し、調査目的に沿った情報を確実に得ることです。
以下は、インタビューガイドの構成例です。
ウォームアップ質問(対象者の基本情報、最近の出来事など)
メイン質問(調査目的に直結する内容)
深掘り質問(「なぜそう思ったか?」「具体的には?」など)
未来質問(理想や希望、改善提案など)
クロージング質問(最後に言い残したことなど)
[5]実施形式の選定
「対面」or「オンライン」を決めます。
対面(来場・訪問型)は、対象者の表情や空気感が読みやすいメリットがありますが、移動コストがかかります。
オンラインは、時間と場所の制約は少ないものの、通信環境への不安があります。
なお、録音・録画の同意を得ることはいずれにせよ欠かせません。
[6]パイロットテスト
デプスインタビューの本番前に、1〜2名を対象にパイロットテストを実施することにより、以下の点を確認することができます。
- 質問の意図が正しく伝わるか
- 時間配分は適切か
- 想定外の返答が来た場合の対応
デプスインタビューの実施-2.実行編
準備ができたら、いよいよ実行に移ります。
[1]アイスブレイク(導入)
自己紹介、インタビューの目的や録音について説明し、対象者がリラックスできる雰囲気を作る。
[2]ウォームアップ
対象者の現在の状況など、話しやすいテーマから語ってもらう。
[3]メインパート(本題)
調査目的に沿って、対象者の具体的な経験や思考、感情を丁寧に掘り下げていく。
[4]クロージング
最後に「他に伝えたいことはありますか?」など、対象者が言い残したことがあれば語ってもらう。
※デプスインタビューの時間配分
時間配分例は大まかな目安ですが、参考にしてください。
デプスインタビューの実施-3.終了後の業務編
デプスインタビュー終了後に必要な業務プロセスは下記の通りです。
[1]お礼とフォローアップ
インタビュー終了後、対象者への感謝の気持ちを丁寧に伝える。「本日はご協力いただきありがとうございました」
念のため、録音・録画の使用目的を再度、告知する。
今後の連絡について、必要な情報を伝える。(お礼メール/ギフトカードの送付/事後アンケートリンクの案内など)
[2]音声の書き起こし
録音したデータは、できるだけ早く書き起こして整理する。
*AI書き起こしツールを使うことで、効率的に作業が進む。
- 発言内容は「誰が言ったか」を明示する。
- 感情や間の取り方も記録する(例:[笑いながら][沈黙3秒]など)。
- 要点・印象的な表現にマーカーをつけておく。
[3]情報の整理とテーマ分類(コーディング)
複数のインタビューから得られた内容を比較・分類するために、「コーディング(ラベリング)」を行う。
- 書き起こし内容を読み込み、印象的な発言をピックアップする。
- 類似の発言をグルーピング(例:「価格への不満」「初期設定が不安」など)。
- グループごとにラベル(コード)を付ける。
- 頻度・傾向を確認しながら、重要なテーマを抽出する。
[4]インサイトの抽出と仮説の構築
分類したデータから、「なぜこのような傾向があるのか」「背後にどんな心理や価値観があるのか」といったインサイト(洞察)を導き出す。
- 「利用頻度は低いが、サービスを“心の支え”と感じているユーザーが多い」
- 「“面倒臭そう”という印象が初期離脱の最大要因となっている」
[5]レポート化
最終的に、インタビュー結果とインサイトを関係者と共有できる形にまとめる。
デプスインタビューの報告書例
デプスインタビューの報告書(レポート/簡易版)の例として、"架空の飲食メーカーが展開しているシリアル食品カテゴリーに関する事例"を取り上げて説明します。
「30代既婚・正社員女性」を対象としたデプスインタビュー結果の報告書例
1. 調査概要 |
調査目的 30代既婚・正社員女性のシリアル食品購買・喫食行動の実態と背景要因を把握し、商品・マーケティング戦略への示唆を得る。 |
対象者条件
性年代:女性30代 家族構成:夫・子ども1人(5歳) 職業:IT企業勤務(フルタイム正社員) 居住地:東京都 条件:シリアル食品を自分の意思で購入し、日常的に喫食(自購入・自喫食)
|
調査手法
デプスインタビュー(1対1、オンライン)
所要時間:約60分 実施日:2025年6月1日 モデレーター:当社リサーチャー |
2.インタビュー抜粋・テーマ別の整理 |
2-1.シリアルを選ぶ理由 「朝は時間がなくて、パンを焼くのも面倒な時があります。シリアルなら牛乳をかけるだけでいいので、自分だけの朝食としてはちょうどいいです」 |
2-2.購入時の重視点
「なるべく砂糖が少なめで、食物繊維とか鉄分が入っているタイプを選んでいます。でも、正直に言うとパッケージが目についたとか、キャンペーンをやってたとかも大きいですね」
|
2-3.ブランドや製品の使い分け 「自分用はオートミール系やグラノーラが多いです。子供には甘めのコーンフレークを買うことが多いですね。自分の健康目的と、子供が喜ぶ味は分けて考えています」 |
2-4.継続利用の動機
「習慣ですね。買っておけばいつでも食べられるし、朝食を抜くよりは良いと思っています」
|
3.主な発見(要約) |
・「手軽さ」と「健康感」の両立が、購買の主なモチベーション。 ・購入銘柄は固定されておらず、スーパーやネットでのプロモーションに影響されやすい。 ・忙しい平日の朝、自分の朝食として最も時短できる手段として位置づけられている。 ・子供用には別途、甘めのシリアルを購入しており、自身用とは明確に使い分けている。 |
4.考察とインサイト |
・「自分専用の朝食」⇒時間をかけずに、ある程度栄養も摂れることが重要。 ・健康志向はあるが、実際の購買行動では手軽さや価格、販促が大きな影響を与えている。 ・「自分用」「家族用」の役割分担があり、複数種類のシリアルを併用する傾向が見られる。 ・「続けやすさ」が選定のキーワード。重すぎず、日常に自然と溶け込む商品が好まれる。 |
5. マーケティングへの示唆 |
・ターゲットは「健康に配慮した、時短志向の忙しい女性」 ・機能性(鉄分・食物繊維を含んでいること)をシンプルに伝える訴求が効果的。 ・パッケージや店頭での視認性・プロモーション施策の重要性が高い。 ・「自分のための朝食」としてのポジショニングを強調すると効果が見込める。 |
「30代既婚・正社員女性」と「30代専業主婦」の結果と比較したデプスインタビューの報告書例(簡易版・2属性比較)
前掲の報告書は、「30代既婚・正社員女性」を対象としたデプスインタビュー結果の報告書例でしたが、参考として「30代専業主婦」の結果と比較した報告書の抜粋も掲載します。
1.調査概要 | ||
属性 |
正社員 |
専業主婦 |
年齢 |
35歳 |
36歳 |
性別 |
女性 |
女性 |
家族構成 |
夫・子供1人(5歳) |
夫・子供2人(3歳・6歳) |
職業 |
フルタイム正社員(IT系企業) |
専業主婦 |
居住地 |
東京都 |
神奈川県 |
使用状況 |
自分用にシリアルを継続購入・喫食 |
自分および子供用にシリアルを継続購入・喫食 |
2.主なインサイトの比較 | ||
属性 |
正社員 |
専業主婦 |
利用目的 |
自分の朝食(手軽さ・栄養補給) |
子供の朝食・おやつが主│自分はついで |
重視点 |
時短+健康要素(鉄分・繊維質) |
子供の嗜好+コスパ、安全性(添加物) |
購買行動 |
忙しい平日の補完食として購入│ブランドはその都度、変更 |
子供が飽きないように、複数種類を購入│スーパーの特売を活用 |
ブランド意識 |
低め│新商品・パッケージ重視 |
高め│口コミやSNS、ママ友の情報を参考にする |
継続理由 |
朝食を抜かないための「自分ルール」 |
子供が食べてくれる│保存食としての利便性 |
3.考察とマーケティング施策への示唆 | ||
観点 |
正社員 |
専業主婦 |
ターゲット戦略 |
「自分のための健康×時短」商品の訴求 |
「家族のための安心×お得」商品の訴求 |
訴求軸 |
栄養機能性・手軽さ・女性の自己投資感覚 |
子供が喜ぶ味・無添加・コスパ・家族思いの姿勢 |
購入動機を高める要素 |
忙しい朝の味方・ヘルスケア意識 |
子供が食べてくれる・備蓄にもなる安心感 |
ブランドへの期待 |
トレンド感・軽い体験・新しさ |
安定感・信頼・安全情報の可視化 |
4.まとめ | ||
正社員女性ユーザーは、シリアルを「自分専用の効率的な朝食」と位置づけており、商品にパーソナルな価値を見出している。 一方で、専業主婦ユーザーは、シリアルを「家族のための便利食品」として捉えており、購買・喫食の中心は子供であることが多い。 両ユーザーとも、シリアルの「手軽さ」「保存性」に魅力を感じている点は共通するが、購入動機・喫食方法・重視点が大きく異なるため、商品設計・広告施策の差別化が重要。 |
デプスインタビューにまつわる、よくある質問
Q:デプスインタビューにより、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作ることはできますか。
はい、もちろん作ることがきます。デプスインタビューは、1人の対象者(n=1)に深く焦点を当てる調査手法であり、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成に非常に適しています。
カスタマージャーニーマップを作成する際は、対象者の過去の体験や行動を時系列で詳細に引き出すことが重要です。そのため、インタビュー設計時には、過去の記憶を丁寧に掘り起こすための質問や時間配分をしっかりと策定しましょう。
Q:デプスインタビューで深掘りするには、「なぜ」を繰り返すのが効果的ですか?
はい、「なぜ」と問いかけることは、対象者の思考や感情の背景を探るうえで有効な手法です。
ただし同じ質問を繰り返すと、尋問のように感じられ、対象者が不快に思うこともあります。
そのため、「なぜ」を繰り返す際は、相手の反応や心理状態に配慮しながら、自然な会話の流れの中で行うことが重要です。例えば、「どうしてそう思われたのですか?」や「その背景にはどんな理由があると思いますか?」など、表現を工夫することで、よりスムーズに深掘りすることができます。
Q:デプスインタビューのインタビュアーは、専門外の人でも担当できますか。
デプスインタビューには高度なスキルが求められるため、理想的にはマーケティングリサーチ会社などの専門リサーチャーが担当するのが望ましいです。事業会社や広告代理店の担当者がインタビュアーを務める場合でも、定性調査に関する十分な知識と経験が必要です。
特に、デプスインタビューやグループインタビューでは、対象者との信頼関係を築くことが重要です。専門外の人がインタビューを行うと、質問への関心が強すぎるあまり、無意識的に誘導的な聞き方になったり、対象者が話しづらくなったりすることがあります。
そのため、インタビュアーには、専門的なトレーニングや実践経験が求められます。
無料ダウンロード『デプスインタビューマニュアル』
本記事で解説した内容をまとめた資料「デプスインタビューマニュアル」は、下記よりダウンロードすることができます(無料)。
おわりに(まとめ)
最後に、ここまで解説してきた内容をまとめました。今一度の確認に活用してください。 |
デプスインタビューとは、グループインタビュー、エスノグラフィーと並ぶ定性調査の手法の1つです。具体的には、調査者(インタビュアー)が調査対象者(インタビュイー)1人に対して、1対1(One on One)でインタビューを行います。その目的は、対象者が自覚していない潜在的なニーズや心理の丁寧な掘り起こしです。
活用場面は、商品・サービス開発前のインサイト探索、UXリサーチ(ユーザー行動の理解)、ブランド認知・ブランドイメージの調査、広告・コピー開発の事前調査、カスタマージャーニーマップの作成など、多岐に渡ります。
デプスインタビューのメリットは、深層心理が探索できること、柔軟なアプローチが可能であること、思考・行動のプロセスが明らかになること、サンプルが少なくても深い示唆が得られることです。
準備のプロセスは、調査目的の明確化、調査対象者の選定、スクリーニング、インタビューガイドの作成、パイロットテストです。
実行のプロセスは、アイスブレイク 、ウォームアップ、メインパート、クロージングです。質問のポイントと注意点は多く、インタビュアーには高度な専門性が求められます。
デプスインタビューの報告書として最低限必要な項目は、調査概要(調査目的、対象者条件、調査手法など)、インタビュー抜粋、主な発見、考察とインサイト、マーケティングへの示唆です。