ランダムサンプリングとは|リサーチ マーケティング用語集
ランダムサンプリング
ランダムサンプリングとは
ランダムサンプリングとは、調査対象である母集団の中から任意で標本を抽出する方法のことです。「無作為抽出」とも言い、膨大なデータ群に対してよく用いられます。
英語表記は、random sampling。
ランダムサンプリングのメリット
最大のメリットは、 全体の一部を調べるだけで、膨大なデータ群の分析を楽に行うことができ、母集団の情報が把握できることです。
ただし、データ抽出に人間の意思や何かしらの意図が絡んでしまうと、適切な無作為抽出を行えず、分析の質が落ちてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ランダムサンプリングのデメリット
デメリットとしては、抽出したデータに対する分析結果と、データ群全てに対して分析を行った結果に誤差が生じる可能性があります。
抽出されたデータはあくまで元データの一部であるため、適切にランダムサンプリングを行っても質の高い分析結果が得られない場合もあるでしょう。
また、人為的な操作が入らないよう、正しくランダムサンプリングすることが、品質管理で特に重要となるため、作業自体が難しいという面もあります。
ランダムサンプリングの種類
主な抽出方法は、以下の5種類です。それぞれの抽出方法を理解し、正しい方法を選択しましょう。
1.単純ランダムサンプリング
最も一般的な標本抽出の方法です。乱数を用いてデータ群からデータの一部を抽出します。
非常にシンプルな方法であるため、容易に扱うことができ、精度や誤差の評価も簡単です。
ただし、データ群の一覧が必要で、データ抽出に時間やコストがかかるのが難点です。
>>「単純ランダムサンプリング」の用語解説はこちら
2.層別サンプリング
層によって特性が異なる場合に使用します。
データ群をあらかじめいくつかのグループに分け、それぞれのグループから必要な数のデータを無作為に抽出する方法です。
ただし、層別抽出法を活用するためには、事前にデータ群の構成情報を把握する必要があります。
>>「層別サンプリング」の用語解説はこちら
3.多段サンプリング(二段・三段サンプリング)
効率的に標本抽出を行いたい場合に使用します。
データ群のグループ分けとデータの単純ランダムサンプリングを複数回繰り返してデータ抽出を行う方法です。
単純サンプリングを二回する場合「二段サンプリング」、三回する場合は「三段サンプリング」となります。
>>「多段サンプリング」の用語解説はこちら
4.集落サンプリング(クラスター抽出法)
小さなデータのまとまりが元々見られるようなデータ群に対して有効です。
データ群から小規模なデータのまとまりで複数の集落(クラスター)を生成し、代表となる集落を選び、データ抽出を行う手法です。
5.系統サンプリング
時間軸で観察が必要な分析や、トレンド分析に有効です。
通し番号をつけたデータ群に対して1つ目の抽出対象をランダムに選び、それ以降のデータを一定間隔ごとに抽出する方法です。
抽出されるデータの1つ目が決まれば他の抽出されるデータも確定するため、データ抽出の手間を減らすことができます。
一方で、データ群の並び順自体に周期や偏りがあると、抽出されるデータにも偏りが見られる可能性があります。