アンケートの調査レポートの書き方(定量調査編) グラフ・チャートで結果を伝えるまとめ方

定量調査レポート作成の基本的な考え方

ここでは、調査のレポートの書き方(定量調査編)について解説していきます。

※本記事は菅原氏の書籍『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)と連動した内容を掲載しています。

👤講師のリサーチャー菅原大介氏について&Freeasyリサーチアカデミーとは?

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定量調査のまとめページ(グラフ・チャート)とは何か

│概要

定量調査のまとめページ(グラフ・チャート)とは、アンケート結果の中でも特にテーマとの関連が深いデータをグラフをはじめとした図解で伝えるアウトプットのことです。このページで調査目的に対する分析の成果を示します。

リサーチ業務では分析の成果を報告書としてまとめるのが慣例です。もしも調査の直接的な成果物であるグラフデータ・数表データ・自由回答データだけだと、報告相手が羅列されたデータをすべて見ることになってしまうからです。

│種類

定量調査のまとめページのパターン展開は複数あり、ここでは私自身が使う4種類を紹介します。

1.質問間のクロス集計

  • 重要質問間のクロス集計のグラフレポート
  • 重視点×満足点などの質問が対象

2.割付軸のクロス集計

  • 分析グループ単位のクロス集計のマトリクス表
  • 割付や基本属性で主要質問の結果を総覧にする

3.特定質問の自由回答

  • イメージや選択理由についての自由回答リスト
  • ブランドイメージ、利用意向などの質問が対象

4.デスクリサーチ

  • プロダクト、商品、サービス等のマトリクス表
  • 規模や金額など既知のスペック情報をまとめる
    ※まとめ方に決まりがあるわけではないので、案件特性に応じて使い分けてみてください。いずれの形式でも付加分析(考察・提言)の討議に耐え得る情報量をページ内に担保することがポイントです。

│定量調査のまとめページを構成する要素

定量調査のまとめページ(グラフ・チャート)の構成要素は以下のようになります。

1.コメント

  • データの要旨(事実)
  • 分析者の意見(考察)

2.データ

  • 各種グラフ
  • 凡例
  • 自由回答集(またはユーザーによる発話の抜粋)

3.元の質問情報

  • 質問項目・質問タイプ・回答者数
  • 質問文

│定量調査レポート作成でよくある課題

「報告時に調査データの基本説明に時間がかかってしまう」
⇒この悩みに一枚で答えるためのアウトプット

①報告しながら発表内容を頭で考えているケース

調査報告を行ったことがある方はその難しさをよくご存知でしょう。報告書には様々なデータが存在し、スライドの一枚一枚に対してデータの構成、要点、意見についての記憶を保持しながら聞き手に説明する必要があるからです。

日頃の分析や商談で話し慣れている話題やデータであれば良いのですが、たいていはページを見て瞬時に要領よく話すことは難しく、自身でも再度記憶を呼び起こしながら説明を行うので、発表がたどたどしくなってしまうものです。

②社長や役員が調査データを部分引用するケース

調査報告書は社長や役員がデータの一部を切り出して引用する機会があります。例えば、業界展示会での登壇、経営方針の発表会、個別のメディア取材、大口顧客との商談など、いずれもステークホルダー向けに話す場面が該当します。

公(おおやけ)の場面で自身も初見に近い状態でステークホルダー向けに説明するハードルは極めて高く、一般的に社長や広報担当部長のプレゼンスキルは高いものの、事前に内容をすべてインプットしてもらうのは基本的に困難です。

定量調査レポートのまとめページの作り方

│事実と考察を書き分ける

  • 一行目は調査結果そのものを事実としてまとめる
  • 二行目はファクトのデータから導ける考察を書く
    ※見本として掲載している図表の例文では、競合と自社との比較、メインとサブの分析軸での比較などを記載している。
  • 箇条書き形式でそれぞれ一文で読めるよう収める

│事実コメントは上位を抜粋して記載する

  • 事実コメントは結果の上位を抜粋して記載する形式を基本とする
    (もしくは意味のある区切り方に=一定のライン、平均、分布など)
  • 書き方の基本形は、「最も高いのは○○で、次に高いのは○○」のようにする
  • 順位の表現は丸数字を駆使する(「最も高い」を「①」のように省略する)
  • 割合(パーセント)もコメントに入れる(具体的に差をイメージしやすい)

│「高い」「多い」などの表現は統一する

  • 数値の述語(高い・多い・大きい)は同じ表記を使用する
  • 同じ表記を使用することで印象が変わらず比較もしやすい
  • その時々の気分で書いていると混合になり読みづらくなる

│考察コメントは自社での解釈を記載する

  • 考察のパートは自社プロダクトの観点で特に着目するポイントを書く
    (業務や戦略におけるデータの活かし方の提言)
  • 各ページごとの考察ができていると総まとめの作成もスムーズになる

│質問の前提情報を記載する

  • 質問の前提情報となる質問項目・質問タイプ・回答者数を記載する
  • 質問タイプは図から自明でも認知の相違が生まれないよう記載する
  • 回答者数を気にする確認者は多いので少し面倒でも全図に記載する

│元の質問文を記載する

  • もともとの尋ね方は結果を見るうえで重要な前提情報なので記載する
    (質問リストを別途参照しなくても大丈夫なように同一ページに記す)
  • この元情報は報告者だけでなくデータを引用する人にとっても便利

定量調査レポートのまとめページの使い方

│要旨と意見を組み合わせてプレゼンにテンポ感を出す

事実情報は淡々と読むことで発表の基本リズムを作ります。事実情報は必要情報なので、結果的にあまり特徴がないデータだとしても各質問項目ごとに記載しておきましょう(目立った結果だけを書く方法だとリズムが損なわれます)。

反対に、考察情報は情感を持って伝えることで、報告者が話していることの意義が伝わります。ページの中で見るべき場所と読み解き方を口頭で伝えることで話にメリハリが生まれ、双方に気だるい一問一答式の報告を卒業できます。

│プレゼンターにコメントをそのまま読み上げてもらう

組織を代表して話すプレゼンターには、報告書の各ページのコメント欄をそのまま読み上げてもらうようにします。そうすることでプレゼンターの立場にかかわらずデータが正確に伝わり、解釈のポイントもそのまま訴求できます。

プレゼンシーンは調査報告の中でも特殊な環境で、見えているページだけで勝負することになります。事実と意見から成るコメント欄が充実していると、プレゼンターは事前インプットや手元のカンペなしで堂々と見て話せます。

調査結果を、社内外に正しく伝えるために

定量調査のレポートは、単にグラフを並べるだけでは十分な成果物になりません。

Freeasyでは、アンケート設計・回収・集計から、調査結果の整理・共有までを一貫して行うことができます。本記事で解説したレポート作成の考え方を、実務でそのまま活かしたい方は、Freeasyのサービス紹介資料もご参考にしてください。

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各記事はそれぞれ独立して読める構成になっていますが、 シリーズ全体を通して読むことで、調査結果を「出す」だけで終わらせず、「伝え、活かし、評価につなげる」までの一連の業務を実務レベルで理解できるよう設計されています。

📚記事一覧(分析・報告編)

1.集計計画表の作り方(選択回答編)

2.集計計画表の作り方(自由回答編)

3.調査レポートの書き方(定量調査編)

4.インタビュー調査のレポートの書き方(定性調査編)

5.調査報告会の進め方(準備・進行編)

6.調査報告会の進め方(共有・成果編/最終回)

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