アンケートの集計計画表の作り方(選択回答編)|Freeasyリサーチアカデミー
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はじめに
「Freeasyリサーチアカデミー」“第2期”の開催が決定!
2022年9月29日のセミナーをもって大好評のうちに終了した「Freeasyリサーチアカデミー(第1期)」。このたび2年ぶりに、第2期を開催することが決定いたしました。
大好評だった第1期から引き続き、市場調査のスペシャリストであるリサーチャーの菅原大介氏を講師に迎え、リサーチに関するノウハウを啓蒙するための『ブログの発信+オンラインセミナー』を、1テーマにつき2ヶ月、半年を通じ定期的に実施していきます。
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解説はリサーチャー菅原大介氏
リサーチャー 菅原大介氏
リサーチャー。上智大学文学部新聞学科卒業。新卒で出版社の学研を経て、株式会社マクロミルで月次500問以上を運用する定量調査ディレクター業務に従事。現在は国内有数規模の総合ECサイト・アプリを運営する企業でプロダクト戦略・リサーチ全般を担当する。
デザインとマーケティングを横断するリサーチのトレンドウォッチャーとしてニュースレターの発行を行い、定量・定性の調査実務に精通したリサーチのメンターとして各種リサーチプロジェクトの監修も行う。著書『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)
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集計計画表(選択回答)とは
※本記事は菅原氏の書籍『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)と連動した内容を掲載しています。
集計計画表(選択回答)とは、選択回答質問の回答データを出力する(書き出す)ために作成する作業計画のアウトプットです。集計の工程は、回答データの羅列であるローデータを仮説に則って編集して気づきを得やすくするために行います。
集計の成果物では、集計軸と各質問との関係性を分析する「クロス集計表」がメインであり(※これがローデータだと認識している人もいます)、数表(N表・%表)と、その結果を視覚的に表したグラフなどのファイル形式で生成されます。
こうしたアウトプットを作成するためには、事前に集計軸を決定したり、選択肢の合算や平均値の算出などの作業を準備することが欠かせません。調査結果のファイルを万一出し直すような事態になると確認者への影響範囲が大きいからです。
また、集計ファイルの仕様決定も重要です。集計の工程は作業メンバーに割り振られるケースも多い仕事です。ファイル内で扱うデータの項目名称、リストに項目を並べる順序など、依頼者と作業者との間で意識合わせをする必要があります。
なお、集計の作業計画用にわざわざファイルを作成するのは面倒に感じるかもしれません。その際は調査票のファイルを活用します。各質問に備考欄を設けて、集計の作業メモ・指示書きという形で参照情報を残しておけば管理上も便利です。
構成要素
集計計画表(選択回答)の構成要素は以下のようになります。
【集計軸シート】
1.割付
・調査対象者を任意の条件でセグメントし、その単位ごとに目標回収数を定める方法
・回収時にも集計時にも調査テーマのメインとなるデータアイテム
※割付を行う場合は最上部に配置し、行わない場合はクロス集計軸から本表を始める
<性・年代別均等割付の例>(どのセルも同じ回収数に設定する方法)
①男性_20代
②男性_30代
③男性_40代
④女性_20代
⑤女性_30代
⑥女性_40代
2.クロス集計軸
・調査票の各質問に対して掛け合わせる集計軸
・アンケート内の質問項目もしくは回答者の基本データで構成する
※BD(ブレークダウン)軸とも呼ばれる
<BtoCサービスの例>
①性別
②年代
③世帯年収
④世帯構成
⑤プロダクトの利用・契約ステータス
<BtoBサービスの例>
①職種(部門)
②役職(立場)
③経験年数
④決裁権限
⑤プロダクトの利用・契約ステータス
【データ加工シート】
※以下のすべてを行うわけではなく案件特性に合わせて適切な作業を設定する
1.選択肢の合算(行動・所持ステータス)
・行動・所持に関する選択肢を一定区分の条件で足し上げる方法(※事前に計画を立てつつ、結果の分布を見て判断する)
<例>
Q.世帯年収(単一回答)
・300万円未満(300万円未満の選択肢)
・500万円未満(500万円未満の選択肢)
・700万円未満(700万円未満の選択肢)
・1000万円未満(1000万円未満の選択肢)
・1000万円以上(1000万円以上の選択肢の合計)
Q.従業員数(単一回答)
・50名未満(50名未満の選択肢)
・100名未満(100名未満の選択肢)
・500名未満(500名未満の選択肢の合計)
・500名以上(500名以上の選択肢の合計)
2.選択肢の合算(利用頻度)
・利用頻度に関する選択肢を一定期間の条件で足し上げる方法
<例>
Q.購入経験(単一回答)
⇒直近1年以内(直近1年以内の選択肢の合計)
Q.購入頻度(単一回答)
⇒週1回以上(週1回以内の選択肢の合計)
⇒月1回以上(月1回以内の選択肢の合計)
3.選択肢の合算(認知状況)
・認知状況に関する選択肢を認知尺度の条件で足し上げる方法
<例>
Q.認知状況(単一回答)
⇒認知者(認知者の選択肢の合計)
4.選択肢の合算(認知経路)
・認知経路に関する選択肢を特定種別の条件で足し上げる方法
<例>
Q.認知経路(複数回答)
⇒SNS(SNSの選択肢の合計)
5.選択肢の合算(購入商品)
・購入商品に関する選択肢を事業区分の条件で足し上げる方法
<例>
Q.購入商品(複数回答)
⇒ファッション(ファッションカテゴリーの選択肢の合計)
6.選択肢の合算(利用意向)
・利用意向に関する選択肢を意向尺度の条件で足し上げる方法
<例>
Q.利用意向(単一回答)
⇒利用意向者(利用意向の選択肢の合計)
7.選択肢の合算(増減ステータス)
・利用意向に関する選択肢を増減尺度の条件で足し上げる方法
<例>
Q.頻度や回数の増減(単一回答)
⇒増加者(増加の選択肢の合計)
⇒減少者(減少の選択肢の合計)
8.平均値の算出(平均値)
・質問のトピックにおける平均値を出す方法
・数値回答の場合は、最小値・最大値をあらためて設定する(外れ値を除外する)
・選択回答の場合は、ウエイト値を設定する(例:1,000円以上~2,000円未満→1,500円とする)
<例>
Q.利用金額(数値回答)
⇒○○○円(全回答者の入力値の平均)
Q.利用金額(選択回答)
⇒○○○円(数値の選択肢にウエイト値を設定した出した平均)
9.平均値の算出(回答個数平均)
・質問において回答者がいくつの項目を選択したかを出す方法
※選択個数平均とも呼ばれる
<例>
Q.企業イメージ(複数回答)
⇒4.1個(選択したイメージの個数)
Q.併用ブランド(複数回答)
⇒2.3個(選択したブランドの個数)
集計軸シートとデータ加工シートの作り方、STEP1:集計軸シート
①集計軸を記載する
②項目名を記載する
③質問番号・選択肢番号を記載する
④掲載範囲を記載する
①集計軸を記載する
・クロス集計軸として設定する質問項目・データアイテムを決める
※軸が多いと集計・分析とも負荷が上がるため適切な数に保つこと
②項目名を記載する
・質問の選択肢を記載する(もしくは加工後のデータ名を決める)
③質問番号・選択肢番号を記載する
・質問の質問番号を記載する
・選択肢の選択肢番号を記載する(選択肢を合算する場合は合算対象の範囲を書く)
④掲載範囲を記載する
・集計データを適用する成果物の範囲を決める
※すべての資料に適用してしまうと作業量・確認量が膨大になってしまうため
<例>
・レポートまで→集計表・報告書ともに反映し、一貫して分析の対象とする
・クロス表のみ→集計表の形式でデータの出力を行うが、主に参考用とする
・調査結果次第→結果のデータ次第で報告書まで盛り込むかどうかを決める
集計軸シートとデータ加工シートの作り方、STEP2:データ加工シート
①対象質問を記載する
②集計作業を記載する
③加工条件を記載する
①対象質問を記載する
・加工対象とする質問について、質問番号・質問項目・質問タイプを記載する
②集計作業を記載する
・対応する集計作業を記載する
<例>
・選択肢の合算
・平均値の算出
③加工条件を記載する
・データを加工する時の指示や備考を記載する
<例>
・選択肢の範囲
・小数点の扱い
Freeasyリサーチアカデミー第2期「第1回オンラインセミナー」のご案内
本記事に連動した「アンケート調査の集計の進め方」をテーマに、参加費無料のオンラインセミナーを、12月12日(木)に開催します。
講師は、リサーチャーの菅原大介氏と、弊社アイブリッジ株式会社 SaaS事業部 シニアマネジャーの榎本涼が務めます。
Freeasyユーザー様に限らず、リサーチを最大限に活用して売り上げを伸ばしたい方、リサーチのスペシャリストを目指している方など、皆様のご参加を心よりお待ちしています。
セミナー開催概要
セミナー名 |
Freeasyリサーチアカデミー 第2期 第1回【オンラインセミナー】 「アンケート調査の集計の進め方」 |
配信日時 |
2024年12月12日(木) 17:00~18:00 |
配信方法 |
Zoom(オンラインセミナー) |
参加費 |
無料 |
申込方法 |
事前申込 |
次回のブログテーマは「集計計画表の作り方(自由回答編)」
Freeasy担当からお知らせです。次回、第1回・後半のブログでは、今回の続きで「集計計画表の作り方(自由回答編)」をテーマに、菅原氏に解説いただきます。ご期待ください!(11月下旬公開予定)
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