自由回答アンケートにおける集計計画の重要性

ここでは、集計計画表(自由回答)について解説していきます。

※本記事は菅原氏の書籍『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)と連動した内容を掲載しています。

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集計計画表(自由回答)とは何か

│概要

集計計画表(自由回答)とは、自由回答質問の回答データを出力する(書き出す)ために作成する作業計画のアウトプットです。自由回答の読み込みにあたり最適なデータを整形して、分析での気づきが得られるようファイルの中身を整えていきます。

自由回答リストはローデータから該当箇所を抜粋・転記して作るのが通例です。しかし、ひと手間かけてトピックに関連した前後の回答情報や、回答者の基本的な属性情報などを付加項目として設定することで、深い内容理解につなげることができます。

集計計画表は選択回答と同様に自由回答においても、依頼者と作業者との間で成果物イメージを揃えるのに有効です。「作業をしてみるまで表の並びや単位がわからない」という状態を避けるべく、本項の内容でFAリストの仕様を理解していきましょう。

※本項はエクセルやスプレッドシートなどの表形式のファイルで作成する作業環境をイメージして書いています(作業スペースのことを「シート」と表現していたりします)。

│構成要素

集計計画表(自由回答)の構成要素は以下のようになります。

1.対象質問

  • 自由回答データを含む掛け合わせ元となる質問項目

2.付加項目

  • 自由回答のトピックに応じて掛け合わせる質問項目
  • 回答者の立場を理解するための参考データアイテム
<例:SAタイプ>(単一回答の質問の回答結果を掛け合わせて見る方法)

  • 対象質問|○○アプリジャンルのイメージ
  • 付加項目|主利用プロダクト(SA・選択肢の降順)
  • 付加項目|性別(SA・選択肢の降順)
  • 付加項目|年代(SA・選択肢の降順)

⇒アプリジャンルのイメージ(自由回答の結果)を、サービスブランドユーザーごとに、基本属性ごとに、照らして見るための設定

  • 対象質問|新サービスの利用意向
  • 付加項目|利用意向 選択回答(SA・選択肢の降順)
  • 付加項目|割付(選択肢の降順)
  • 付加項目|世帯年収(SA・選択肢の降順)

⇒新サービスの利用意向(自由回答の結果)を、利用意向の程度や基本属性・生活水準に照らして見るための設定

<例:MAタイプ>(複数回答の質問の回答結果を掛け合わせて見る方法)

  • 対象質問|プロダクト利用時のエピソード
  • 付加項目|割付(選択肢の降順)
  • 付加項目|購入品目(MA・最大3つまで)
  • 付加項目|用途(MA・最大3つまで)

⇒プロダクト利用時のエピソード(自由回答の結果)を、購入品目・用途の情報と共に見るための設定

  • 対象質問|参考にしているSNS・アカウント名
  • 付加項目|参考にしているSNS・推薦理由(FA)
  • 付加項目|割付(選択肢の降順)
  • 付加項目|SNSメディア(MA・最大3つまで)

⇒参考にしているSNS・アカウント名(自由回答の結果)を、推薦理由や利用しているSNSメディアの情報と共に見るための設定

集計計画表とFAリストの作り方

│STEP1:集計計画表を作成する

①自由回答質問をリストアップする
②各質問ごとに付加項目を設定する
③付加項目ごとの並び順を制御する

①自由回答質問をリストアップする

  • 調査票における自由回答の質問を並べる
  • 主に、理由や意見を尋ねる質問、固有名詞や体験談を尋ねる質問を対象とする
    ※複数回答の質問の選択肢「その他」の自由回答も存在するが本項では扱わない

②各質問ごとに付加項目を設定する

  • 各質問に関連するデータアイテムを付加項目として設定する
  • 付加項目は2~3点に絞る(基本属性・関連ステータスなど)
    ※複数回答の質問で選択肢の数が多い場合にはFAリストが長くなるので注意すること

③付加項目ごとの並び順を制御する

  • 最優先の付加項目を設定する(図表の例では①~③の優先順位としている)
  • それぞれの付加項目の中での並べ方は選択肢の降順とするとするのが通例
    ※集計の担当者が作業に徹していると回答者ID・会員IDの順になったりする
    (データの並べ替えは可能だが、分析時には新規の作業を伴わない方がよい)

│STEP2:FAリストを作成する

①質問項目ごとにシートを作成する
②質問項目→付加項目の順に並べる

①質問項目ごとにシートを作成する

  • 基本的には1つの質問項目に対して1つのシートを割り当てる
    ※データの並べ替えが可能だとしても1つのシートで完結させるのは推奨できない
    (ダッシュボードのようにシート別にすぐに切り替えられる方が閲覧者には便利)

②質問項目→付加項目の順に並べる

  • 各シートで主の質問項目がすぐにわかるよう左側に配置する
    ※掛け合わせ先の付加項目が先だとシートの趣旨がわかりづらくなってしまう
    (集計作業上は質問番号順に並べた方が楽だが閲覧者には不便になるので注意)

自由回答データを、実務で活かすために

自由回答データは、読み取れる情報量が多い一方で、集計や整理の設計が曖昧なままだと、分析に活かしきれません。

Freeasyでは、アンケート設計から回収、自由回答データの整理・活用までをセルフで一貫して行えます。本記事で解説した集計計画の考え方を、実際の調査業務で活かしたい方は、Freeasyのサービス紹介資料もご参考にしてください。

本シリーズで学べるリサーチ実務・アウトプット活用ノウハウ

本シリーズでは、調査結果の集計・分析からレポート作成、報告会での共有・成果創出までを「実務フローとして体系化」し、調査活動の価値を組織内に定着させるための代表的なアウトプットと、その活用方法を解説しています。

各記事はそれぞれ独立して読める構成になっていますが、 シリーズ全体を通して読むことで、調査結果を「出す」だけで終わらせず、「伝え、活かし、評価につなげる」までの一連の業務を実務レベルで理解できるよう設計されています。

📚記事一覧(分析・報告編)

1.集計計画表の作り方(選択回答編)

2.集計計画表の作り方(自由回答編)

3.調査レポートの書き方(定量調査編)

4.インタビュー調査のレポートの書き方(定性調査編)

5.調査報告会の進め方(準備・進行編)

6.調査報告会の進め方(共有・成果編/最終回)

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