デモグラフィック分析とは|リサーチ マーケティング用語集
デモグラフィック分析
デモグラフィック分析とは
デモグラフィック分析とは、デモグラフィック属性(人口統計学的な属性)に基づいて分類・分析する手法です。
具体的には、STP分析の3要素のうちの1つ「セグメンテーション(市場の細分化)」で使われ、年齢、性別、職業、学歴、所得、家族構成、居住地域などの客観的な属性データを用いることで、商品やサービスを利用してもらいたいターゲットを明確化することができます。
英語表記は、Demographic Analysis。
デモグラフィック分析の特徴
主に3つの特徴があります。
1.データを入手しやすい
アンケートで使われる属性のうち、ジオグラフィックやサイコグラフィックなどと比較すると、データを容易に集めることができます。
デモグラフィック属性は、アンケートや会員登録時の入力情報や、政府や研究機関によって調査された統計情報から取得できるため、個人の内面を深く分析するサイコグラフィックのような方法とは異なり、アンケート回答者の負担が軽いからです。
2.活用の幅が広い
ジオグラフィックやサイコグラフィックは、状況によって簡単に変化する一方、デモグラフィックは変わらない個人情報であり、基本的に変化しない、または変化するタイミングが予測できます。性別や過去の学歴・職歴も、基本的に変化しません。
定期的にデータを収集・分析する体制を構築できれば、婚姻の有無や子供の人数なども更新できることから、マーケティング戦略の策定や商品・サービス開発の土台となるデータとして幅広く活用することが見込めます。
3.「なぜそうなったのか」の要因分析が難しい
デモグラフィックは、表面的な情報は分かりますが、個人の価値観や思考を反映しないため、「なぜそうなったのか」の分析・理解が難しい側面があります。
例えば、新商品のリピート率が40代女性に高いことは分かっても、「なぜ新商品がリピートされるのか」という理由までは分かりません。
デモグラフィック分析の活用例
2つの具体的な活用例をご紹介します。なお、デモグラフィックは他の属性(セグメンテーション)と組み合わせて使うと、より効果的です。
1.広告
デモグラフィックデータを活用することで、特定のターゲットに対して広告を配信できます。これはデモグラフィックターゲティング広告と呼ばれており、見込みがありそうなユーザーにのみ広告が表示される仕組みになっていることから、効率的なマーケティングを実現できるとして注目されています。
2.ペルソナ設定
ジオグラフィックと組み合わせることで、個人の基本情報と居住地域や生活環境といった要素を掛け合わせた、詳細な分析が可能になります。これにより、商品開発やメディア戦略の設計に欠かせないペルソナ設定に役立ちます。
さらにサイコグラフィックを組み合わせることで、顧客が抱える悩みや不満、願望といった 深層ニーズ まで把握できます。
こうした複合的な分析を行うことで、より精度の高いペルソナ設計やターゲティングが可能となります。
関連用語
デモグラフィック属性、STP分析、ジオグラフィック属性、サイコグラフィック属性
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