経営資源とは|リサーチ マーケティング用語集
経営資源
経営資源とは、企業を経営するにあたって役立つ「要素や能力」のことです。具体的には、組織を動かす「人材(ヒト)」、製品やそれを生む「機器(モノ)」、事業を発展させていくための「資金(カネ)」、ノウハウや顧客データの「情報」など、企業経営に関連するリソース全体を指します。
自社の経営資源を有効活用すれば、企業としての成長と収益を生み出す経営が可能となります。
経営資源の要素
一般的に、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」は4大経営資源とされ、1990年代までは4つとする説が主流でしたが、近年では「時間」や「知的財産」を加えて5つや6つとする説があります。
ヒト
企業で働く従業員を指す「人材」は、経営資源のなかで最も重要度が高い要素です。人材がいなければ事業を遂行することもできません。確保した人材を大切にすることも必要不可欠です。
モノ
経営資源におけるモノは、会社が保有する有形物を意味します。製品もあれば、製品づくりに活用される機器類もあります。企業の利益に直結する、大切な経営資源の1つです。
カネ
新たに事業を始める時や優秀な人材の確保には、資金を投じる必要があります。必要な資金を調達し、目的達成のために必要なところに適切に投資を行うことが重要です。
情報
情報とは、会社独自で保有している無形の財産であり、非常に重要な経営資源です。企業が持つノウハウや顧客データ、それ以外にも地域やコミュニティとのつながりなども含まれます。
一方で、会社にとって重大な被害をもたらす可能性があるため、情報の外部漏洩に対しては慎重な管理が不可欠です。
時間
時間とは、経営に関するあらゆる時間のことを指しています。事業展開や拡大を決める際の意思決定の時間、採用した人材を教育する時間、従業員が業務に打ち込む時間、製品・サービスを開発からリリースするまでの時間、などが含まれます。
限りある時間をいかに適切に活用し、市場への価値を生み出せるかが、企業の成長速度に多大な影響を及ぼすため、近年は多くの企業で時間を経営資源と捉える考え方が浸透してきています。
知的財産
知的財産とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源となります。また、商標権、商号、独自ブランドなども含まれます。
これらにより、企業は独自性を創造できるため、効果的に「固定顧客の獲得」や「ブランドの認知度向上」などのマーケティング戦略へ活用することができます。
経営資源を活用するためのポイント
日頃から自社の経営資源を把握し、適切に活用することで、企業は持続的な成長と業績向上を達成することができます。上手に活用するためのポイントは下記3点です。
1.定期的な人材教育の実施・強化
自社にとって優秀な人材を確保・活用し続けるためには、人材教育の実施と強化が必要です。人材がいなければ、企業活動を継続できません。
なお、人材育成には時間がかかるため、体系化された研修プログラムなどを積極的に取り入れながら、定期的な人材教育を実施する施策も大切です。
また、各々の能力を最大限に生かすためには、適材適所の配置も重要です。
2.業務フローの見直し
業務フローの再評価を行い、必要に応じて戦略、組織、システムなどを見直すことは、経営資源を効果的に活用する方法の一つとなります。
慣習化している業務フローを第三者が見たとき、思わぬ無駄が見つかる場合も少なくありません。今までのやり方や慣習にとらわれず、現場の意見を反映させながら業務フローを改善する試みは有益です。
3.選択と集中の使いわけ
自社の強みや得意とする領域を見極めて、そこに経営資源を集中させれば、業績の向上や経営の効率化に繋がります。
多数の事業へ経営資源を分散させると、それぞれの事業の成果を最大限に引き出しにくくなる可能性があります。また、各事業が黒字であっても、経営資源の管理が複雑化していると、急激な外部環境の変化に対応しづらいというリスクも生じます。
常時、内部環境と外部環境を分析し、経営資源を投入すべき事業を選択することは、とても大切です。
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