成果が出るアンケート調査の活用法!職種別の事例を大公開!
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はじめに
アンケート調査を実施するにあたり、職種別の「調査事例・調査実施案」や「活用例・活用法」はとても参考になります。ここでは4つの職種「商品開発、マーケティング担当」「広告代理店」「サービス・接客業」「広報・PR担当」をピックアップし、調査の目的からおすすめのアンケート形式、調査票、調査後にどういう成果が出たか(どんな“気づき”があったか)を分かりやすく解説します。
1.商品開発、マーケティング担当
以下はあるFMCG(消費者向け日用消費財)の商品開発ステップと必要とされる調査の例です。
商品開発のステップと調査
アンケートの目的
商品開発ステップのうち、ここでは重要度の高い商品コンセプトテストを取り上げます。
商品コンセプトを作ったら、その商品コンセプトの市場での受容性を検討します。
具体的に、商品コンセプトが消費者にどう評価されるか、どの程度受け入れられるか、さらに買ってもらえるかどうかを明らかにします。
調査項目は、商品コンセプトに対する「好意度」「魅力度」「内容の理解度」などの項目があり、
それぞれ高評価が望まれますが、その上で評価の決め手となるのは「購入意向」と「新奇性」です。
コンセプトテストの結果、評価が芳しくなかったということから、商品コンセプトを改良して、
再度コンセプトテストにかけることは効率が良くありません。
コンセプトテストの段階で、吟味を重ねた上で作成した複数のコンセプトを用意しておくことが重要です。
おすすめアンケートの選び方
商品コンセプトテストは、商品開発ステップの中で最初に行われる本格的な定量調査です。
もちろん、「狙うべき市場の特定」と「切り口の探索」でも定量調査が行われることはありますが、ケースバイケースです。
コストと時間を勘案すれば、商品コンセプトテストにはウェブ調査が向いています。
アンケート調査票の例
今回の例では、P案、Q案、R案の3コンセプトについて、マトリクス形式の5段階シングルアンサー(単数回答)で調査票を作成しました。
3つのコンセプト案(文章)を提示した後に、以下の調査票に回答してもらいます。
アンケートの活用例
コンセプトテストの結果を分析し、どの案を採用するか決めます。もちろん、結果を受けて採用するコンセプトをブラッシュアップしていくこともよくあります。
得られた知見
調査前の仮説と異なり、
・理解度が若干、低いながらも、Q案の新規性と購入喚起度が突出 ・好意度と魅力度も著しく低くはない |
よって、 Q案がコンセプトとして選ばれる最有力候補になった。
Q&A
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2.広告代理店
アンケートの目的
効果的な広告展開のためには、戦略検討に始まり、広告の事後評価など多くの調査が必要となりますが、ここでは代表的な調査例として広告効果測定について解説いたします。
おすすめアンケートの選び方
広告出稿後に行う広告効果測定は、回答者数が数百人以上は必要なこともあり、ウェブ調査で行うことが一般的です。
アンケート調査を行うタイミングですが、広告出稿後、ある程度時間を空けないと商品購入に至らず、逆に数か月間など時間が空きすぎると、消費者の記憶から消えてしまうこともあるので、過去の調査経験と実績を参考として入念に設定する必要があります。
アンケート調査票の例
アンケート調査票は、広告の認知から商品購入と商品情報シェアまでのファネル(次項参照)を作成するために設計します。
アンケートの活用例
広告の認知から商品購入と商品情報シェアまでのファネルを作成します。ファネルの各フェーズの数字から、広告のどこにボトルネック(障害)があるのかなどを検討します。
得られた知見と課題
「理解」から「購入」に至るフェーズでの離脱が多かった |
ということはつまり 「興味・関心」の高さまでは仮説通りだったが、「購入」に至るまでの内容「理解」が不十分。
そこで、商品のスペック、消費者のベネフィットの訴求ポイントの再検討が必要となった。
Q&A
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3.サービス・接客業
アンケートの目的
サービス・接客業において最も重要な指標は「顧客満足度」です。
ただし、顧客にとって「満足度」が高い項目でも、「重要度」が低ければ手放しで喜ぶわけにはいきません。
おすすめアンケートの選び方
そこで、「満足度」と「重要度」をセットで調査する満足度インパクト分析が威力を発揮します。
サービス品質の項目の満足度と重要度を、主に5段階評価で測定し、4象限でマッピングをして評価します。こちらは、ウェブ定量調査が向いています。
アンケート調査票の例
サービスと品質の評価では、「SERVQUALモデル」がよく使われます。
①有形性、②信頼性、③応答性、④確実性、⑤共感性という「SERVQUALモデル」の項目について、5段階評価でデータを収集します。
アンケートの活用例
横軸に「重要度」、縦軸に「満足度」の4象限マトリクスを作成します。
そして、 4象限にプロットされたサービス品質の項目に優先順位をつけ、改善を行っていきます。
抽出された課題改善の方向性
・対応済:維持することが重要。過剰投資にならないように! ・要対応:経営資源投入の再分配(増加)が必要。 ・要調整:経営資源投入の再検討(減少)が必要。 ・後対応:経営資源投入の再検討が必要だが、満足度低下には注意! |
Q&A
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4.広報・PR担当
アンケートの目的
アンケート調査結果をプレスリリース記事にまとめて広く発信することにより、自社と商品・サービスの認知度向上、ブランドイメージ向上を図ります。
おすすめアンケートの選び方
インパクトとわかりやすさが求められるタイトルには、数字が入ることが理想的です。よって定量調査がおすすめです。
スピード感が必要なケースが多い上に、コストを考えるとウェブ調査がいいでしょう。
アンケート調査票の例
以下は、音楽サブスクサービス提供企業が、自主調査を行った【音楽嗜好調査】調査票の例です。
最もインパクトが強いコンテンツとなる項目は、Q2-3. 「想い出の曲を知った年齢」です。
まず想い出の音楽の有無を聞き、つづいて曲名とアーティスト名を自由記述で書いてもらいました。
さらに、リリースの内容充実のため、Q11.やQ12.で音楽関与のデータも収集しました。
集計の結果、平均年齢は19歳でした。
アンケートの活用例
発信した結果、
・「想い出の音楽と出会った年齢の平均は19歳」というタイトルは注目を浴び、プレスリリース記事は、Yahoo!のトップページに採り上げられ、複数のテレビ局の情報番組で取り上げられた。
その結果、サイトへのアクセス数と有料契約者数が増加した。
・また、サイトの認知度の向上とともに、広告出稿企業の数も増加した。
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課題は、プレスリリース記事が多くの企業・生活者に届くことにつきます 。
Q&A
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おわりに
アンケートには必ず目的があります。そして実施するからには、結果をしっかりと活用し、成果に繋げなくてはなりません。
ここでは、4つの主な「職種別のアンケート調査の活用法」を解説してきました。どの職種についても、実際に行動を起こす際に思い浮かべやすいよう、実態にできるだけ沿った例を使用しました。是非お役立てていただければ幸いです。
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