多次元尺度構成法(MDS)とは|リサーチ マーケティング用語集

多次元尺度構成法(MDS)

多次元尺度構成法とは、製品やサービスの長期的なビジョンと方向性を視覚的にまとめたプロダクトマップ等を活用し、類似データを視覚的に分かりやすい形に変換する分析手法です。

多変量解析の分析手法のひとつで、クラスター分析と同様、複数の変数(変量)の情報を距離に換算することができます。そのため、主に、大量のデータから対象間の関係性を把握する目的で使用されます。

例えば、X軸(値段が高い・安い)とY軸(売れている・売れていない)を真ん中に置き、様々な商品を適切な場所に配置することで、各商品の相対的な位置関係を把握できます。

英語表記は、Multi-dimensional scalingで、一般的に頭文字を取って「MDS」と呼ばれています。

多次元尺度構成法(MDS)のメリット

1.複雑なデータを分かりやすく視覚化できる

複雑なデータを視覚的に分かりやすいグラフに変換することができます。そのため、全体から対象間の関係性を俯瞰して検討したい際に役立ちます

2.ポジショニングマップが簡単に作成できる

マーケティングの分野で活用されるグラフ「ポジショニングマップ」を簡単に作成することができます。そのポジショニングマップを用いることで、他社製品と自社製品間の関係性の検証が可能となります。

多次元尺度構成法(MDS)のデメリット

1.データ準備にひと手間かかる

多次元尺度構成法(MDS)を行うためには分析用データを作成する必要があります。しかしながら、各対象間の類似性を示すデータの形は一般的ではないため、「距離行列」と呼ばれるデータの準備に多少の時間を要します。

2.関係性の細かい検証は困難

対象間の関係性(類似性)を分かりやすく視覚化する分析手法であり、細かく調べる分析手法ではありません。その点を踏まえたうえで、上手に活用しましょう。

多次元尺度構成法(MDS)と主成分分析の違い

多次元尺度構成法(MDS)と主成分分析は、同じデータの要約という意味では似ていますが、要約をする際の計算方法は大きく異なっており、出力される結果が異なることが、大きな違いです。

主成分分析は、多くの変数を持つデータを、より少ない指標や合成変数(複数の変数が合体したもの)に要約する手法です。各要素全てを1つにまとめた総合変数を作成でき、データ全体の総合評価を算出できるのが大きな特徴です。

2つの手法の使い分け方は、「ポジショニングマップを作成したいとき」は【多次元尺度構成法(MDS)】を活用し、「多くの情報を要約し、総合的な評価を導き出したいとき」は【主成分分析】を活用すると良いでしょう。

多次元尺度構成法(MDS)の活用場面

多次元尺度構成法(MDS)は、 マーケティングの分野と相性の良い分析手法です。

上述したメリット2の「ポジショニングマップ」は、競合となる他社製品調査のポジションや関係性 の現状把握や今後の方針決定、マーケティング戦略策定に使用できます。

他にも、作成したプロダクトマップから競合が存在しない市場や商品を開発することでブルーオーシャン市場開拓にも活用できます。

関連用語

重回帰分析因子分析コレスポンデンス分析

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「多次元尺度構成法(MDS)」と関わりの深い「クラスター分析」について解説している記事も、合わせてご覧ください。
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