オープンイノベーションとは|リサーチ マーケティング用語集

オープンイノベーション

オープンイノベーションとは、自社以外のパートナーと連携し、技術やアイデア等の様々なリソースを取り込んで、新たに革新的な製品やサービスを創造し、市場機会を増やすことです。

2003年にハーバード大学経営大学院の教授であったヘンリー・チェスブロウ氏が、「イノベーションはクローズドからオープンへ変化するべきである」として、オープンイノベーションという概念を提唱しました。

オープンイノベーションで活用するリソース

オープンイノベーションでは、様々なリソースが活用されています。5つのリソースの特徴を紹介します。

1.人材

社内外問わず、多様で優秀な人材と共に働くことで、新たな価値を発見・生み出し、イノベーションへつながります。
経営資源には、「ヒト、モノ、カネ、情報」という要素がありますが、その中のひとつ、「ヒト」すなわち人材は、オープンイノベーションにとって必要不可欠な要素です。

2.アイデアやマインド

あらゆる場所にある、潜在的なアイデアやマインドを見逃すことなく収集・活用し、革新的なイノベーションを創造します。上述した「人材」に並ぶ、重要な要素です。

3.知的財産

社内で保有している知的財産(ライセンスや特許)を隔離せず、他団体や組織で相互に活用することが推奨されています。有益な知的財産の活用で、新たな知的財産やビジネスモデルを構築します。

4.研究

自社だけでなく、他団体や組織などの様々な研究開発内容を活用することで、スピード感をもって新たな製品やサービスを市場に投入できます。

5.市場

オープンイノベーションの「人材」「アイデアやマインド」「知的財産」「研究」を活用して、開発されたサービスや製品を出すために開かれた市場があるかどうかも重要です。
開かれた市場があることで、はじめて、オープンイノベーションによるビジネスモデルを構築できるのです。

オープンイノベーションのメリット

オープンイノベーションには様々なメリットがあります。

1.短期間・低コストで新規事業が始められる

新しい事業を始めるには新技術の開発やマーケティングなど、膨大な時間とコストがかかってしまいます。しかし、オープンイノベーションではそれらを既に持っている企業と組むため、短期間での開発やコストの削減が期待できます。

2.他社の技術を学べる

他社と一緒に事業を進めることで、自社にはなかった新たな知識や技術が獲得できます。テクノロジーなどの分かりやすい技術に限らず、営業の仕方や仕事の進め方など、他社から学べることはたくさんあるでしょう。
そのまま自社に適用できるとは限りませんが、学んだことを活かせばオープンイノベーションが終わった後も、蓄えられた知識や技術は今後の事業推進にも役立つはずです。

3.事業スピードを促進出来る

他社のリソースを活用することで、事業推進のスピードアップが見込めます。自社で用意するなら数年かかるような技術も、既に持っている他社と組めば時間の短縮が目指せます。
事業立ち上げのスピードが求められる現代において、最大のメリットと言えるでしょう。

オープンイノベーションのデメリット

たくさんのメリットがある一方で、デメリットの側面もあります。

1.自社のアイデアや技術が流出する恐れがある

他社と一緒に事業をするということは、技術や情報が流出してしまうリスクが高くなります。 もしも、その技術が競争優位性(競合他社や新規参入業者の事業よりも有利な状況)の鍵となる場合、事業の存続を左右することにもなりかねません。

盗まれたくないリスクがある場合には、「技術の公募段階では企業名を非開示にする」「協業先が決まり次第、企業の法務担当者が秘密保持契約を結ぶ」など事前に契約を交わして、自社が損害や不利益を被らないように守りましょう。

2.利益分配トラブルのリスクや利益率の低下

業務提携や協業を想定する場合、利益をシェアすることになるので、自社で全てを行うよりも利益が下がる可能性があります。できるだけコストを下げて、利益が下がっても利益率が低下しないよう、双方が納得し、不利益とならないように調整しましょう。

また、事業が始まってから利益配分でトラブルが起きないよう、事前に契約を細かく決めておくことも重要です。ただし、実際に事業が始まると予期せぬ事態が起きる可能性があるため、柔軟性を持って契約を再評価できる余地も持つべきです。

まとめ

オープンイノベーションで活用するリソース、メリットとデメリットの両面を紹介しました。内容を理解した上で実践し、新規事業立ち上げ等の大きなプロジェクトを成功に導きましょう!

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