MaxDiff分析(最大差分法)とは|リサーチ マーケティング用語集
MaxDiff分析(最大差分法)
MaxDiff分析(最大差分法)とは
MaxDiff分析(最大差分法)とは、複数の評価項目の相対的な重要度や選好度を測定するための調査手法です。具体的には、評価したい項目一覧の中から一部(通常3〜5項目程度)を回答者に提示し、その中で「ベスト(最も重要な項目)」と「ワースト(最も重要でない項目)」を選択してもらいます。この作業を複数回繰り返すことで、単純な5段階評価や順位付けでは把握しにくい優先順位やトレードオフを明確にできます。
対象となる項目は、
- 製品の機能や特徴
- 広告の訴求メッセージ
- 提供価値やベネフィット
- ブランド属性
など多岐にわたり、一般的には10〜30項目程度のリストを対象に実施されます。
英語表記は Maximum Difference Scaling です。Best-Worst Scaling(BWS)とも呼ばれます。この手法は、Jordan Louviere氏らによって開発された、コンジョイント分析の考え方を応用した離散選択モデルの一種に位置づけられます。
一対比較法との違い
MaxDiff分析と一対比較法は、どちらも評価対象の優先順位を明らかにするための手法ですが、評価方法と回答負荷に大きな違いがあります。
一対比較法では、すべての項目を2つずつ比較して優劣を判断します。そのため、項目数が少ない場合には有効ですが、評価項目が増えるほど比較回数が急激に増加し、回答者の負担が大きくなります。
一方、MaxDiff分析は各設問で3~5項目を同時に提示し、その中から「最も重視する項目」と「最も重視しない項目」を選択するだけで済みます。限られた設問数で多くの項目を評価できるため、回答負荷を抑えながら高精度なデータ収集が可能です。また、多数の項目の順位付けに適しており、特に10項目以上の優先順位を明らかにしたい場合に効果を発揮します。
実施方法
MaxDiff分析は、以下の流れで実施します。
1.評価項目を決定する
まず、調査目的に合わせて評価対象となる項目を整理します。対象には商品機能、サービス内容、広告コピー、ブランドイメージ、顧客メリットなどが含まれます。
項目設定では、意味が重複しないこと、回答者が理解しやすい表現であることが重要です。
2.設問を設計する
評価項目全体から統計的にバランスの取れた組み合わせを作成し、1問あたり3~5項目を提示します。回答者は各設問で、最も重要な項目と最も重要でない項目をそれぞれ1つ選択します。
各項目が公平に比較されるよう、出現回数や組み合わせを調整して設問を構成します。
3.調査を実施する
オンラインアンケートや会場調査などで回答を収集します。一般的には、複数の設問に回答してもらい、各項目がベスト・ワーストとして選ばれた状況を記録します。
4.データを分析する
収集した結果から、各項目の選好度や重要度をスコア化します。
分析では、単純な選択回数だけでなく、統計モデルを活用して各項目の相対的な価値(効用値)を推定します。これにより、優先順位や選好度をランキング形式で把握できるようになります。
メリット・活用シーン
MaxDiff分析の最大のメリットは、多数の評価項目の中から、生活者が本当に重視している要素を明確な優先順位として把握できる点です。
回答者の負担が比較的少なく、提示された選択肢の中から「最も重視する項目」と「最も重視しない項目」を選んでもらうため、5段階評価で起こりやすい評価のばらつきや高評価への偏りを抑えながら、生活者の選好を優先順位として把握できます。
そのため、商品・サービス開発では、生活者にとって必要不可欠な機能と優先度の低い機能を見極め、限られた予算や開発リソースをどこに投入すべきか判断する際に活用されています。また、広告やプロモーションでは、複数のキャッチコピーや訴求ポイントの中から、ターゲットに最も響くメッセージを選定するための手法として利用されています。
さらに、ブランド価値の評価やパッケージデザインの検証、価格戦略の検討などにも活用されており、複数の選択肢に対する生活者の選好やトレードオフを把握したい場面で役立ちます。特に、多くの候補の中から優先順位を明確にしたい調査に適した分析手法といえるでしょう。



