アンケートの質問タイプの使い分け方とは?単一回答・複数回答・自由回答の違いを解説

アンケート設計において質問タイプ選定が重要な理由

アンケートの質問作成を進めていると、「複数回答と単一回答のどちらで尋ねるのが良いか」、「自由回答はどんな場面でどの程度まで尋ねるべきか」、など、データの形式及び活用のイメージが事前に湧かないことで判断に迷ってしまうことがあります。

今回のテーマは「アンケートの質問タイプ」です。主にユーザーアンケートを設計・運用されている方を念頭に置いて、主要な質問タイプである「単一回答」「複数回答」「自由回答」を対象に、それぞれの特徴と得られる情報の違いを解説していきます。

解説するのはリサーチャーの菅原大介氏です。

👤講師:リサーチャー 菅原大介氏について

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単一回答(SA):回答者の状態や程度を把握する

単一回答(SA)とは

単一回答はSA(シングルアンサー)とも呼ばれ、単一の選択肢を選んでもらう質問形式です。アンケート画面では丸いラジオボタンが選択肢の冒頭に表示されます。

単一回答の質問文では、「ひとつだけお選びください」「最もあてはまるものをお選びください」などの尋ね方をします。

単一回答で得られる主なアウトプット
単一回答の主なアウトプットデータには、100%円グラフ・100%帯スケールグラフがあり、いずれも回答者全体を100%としてその内訳を表すものになります。(もちろん棒グラフで表示するケースも一般的にありますが、より内訳を認識しやすいのが上記のグラフ形式になります)

単一回答の主な用途
単一回答の主な用途には、評価の尺度(満足度など)、意思の程度(支持率など)、利用や体験のステータス(経験の有無・回数・頻度・金額・契約状態など)、利用や体験の時期などがあります。

単一回答を使うメリット
単一回答は回答内容に対する意志の強さ・状態の確かさがわかるのがメリットです。実際には回答傾向が割れそうな場合でも、白黒ハッキリさせたい時に効果を発揮します。その時の質問文では「最も近いものをお選びください」と補足を入れて、回答への協力を呼びかけるようにしましょう。

単一回答を使う際の注意点
単一回答の注意事項として、選択肢が吟味しやすい内容と表記になっていることを心がけます。
価値観や志向性に沿ってどんどん選択してもらう複数回答とは異なり、単一回答は選択肢それぞれの内容を吟味して最適な項目を選ぶ回答方法になるので、選択肢の表記は選び出しやすくなっていることが重要です。

選択肢の途中で句読点が入る文章で構成する(前半と後半を読点「、」でつなぐような)場合、各選択肢の表現が不揃いだと見比べるのが難しくなり、回答者にとってストレスになるので注意しましょう。

複数回答(MA):意見や経験の広がりを把握する

複数回答(MA)とは
複数回答はMA(マルチアンサー)とも呼ばれ、複数の選択肢を選んでもらう質問形式です。アンケート画面では四角いチェックボックスが選択肢の冒頭に表示されます。

複数回答の質問文では、「いくつでもお選びください」「○個までお選びください」などの尋ね方をします。

複数回答で得られる主なアウトプット
複数回答の主なアウトプットデータには、縦棒グラフ・横棒グラフがあり、いずれも回答傾向の広がりを表すものになります。縦棒グラフの方が数ある選択肢項目の結果を一覧で見るのに適しているためスタンダートな取り扱いになりますが、項目間のデータの差が選択肢間で近い場合には横棒グラフの場合には横棒グラフの方が差を認識しやすいこともあります。

複数回答の主な用途
複数回答の主な用途には、利用や体験の種類(商品・場所・人物・行動など)、利用や体験の理由、調査対象物のイメージなどがあります。

複数回答を使うメリット
複数回答は意見や経験の広がりがわかることがメリットです。データの報告や公表上は単一回答の方が事実をストレートに伝えるわかりやすさがありますが、物事のトレンドを分析するには複数回答の方が視野や考察を広げる用途に適しています。

複数回答を使う際の注意点
複数回答の注意事項として、質問に対応する選択肢が十分に出揃っていることを心がけます。
この準備が不十分だと「その他」に回答が集まるので注意が必要です。もちろんこれは単一回答でも同じことが言えますが、複数回答で「その他」の数値が跳ね上がると結果データの違和感は大きいので特に気をつけます。

このような理由から、質問の準備には単一回答よりも手間ひまがかかります。準備負荷を考えた時に、全体の中に複数回答の質問がいくつあるかは留意しておくべき要素です。

自由回答(FA):選択理由や体験内容を深く理解する

自由回答(FA)とは
自由回答はFA(フリーアンサー)とも呼ばれ、自由にコメントを書いてもらう質問形式です。アンケート画面ではテキストボックスの枠が入力欄として表示されます。アンケートツールではボックスタイプが短文形式と長文形式の2種類用意されていることが多いです。

自由回答の質問文では、「選んだ理由をご自由にお書きください」「お客様のご要望をお聞かせください」などの尋ね方をします。

また、もし回答の観点をある程度制御したい場合は、質問文に次のような文言で補足を入れます。
「○○の観点からお答えください」
「○○という言葉を入れてお答えください」
「○○の場面を意識してお答えください」
こうすることで、回答の観点を固定することができます。もちろん、逆に回答の観点が固定されてしまう副作用もあるので、使いどころを見極めて入れましょう。

自由回答で得られる主なアウトプット
自由回答の主なアウトプットデータには、フリーアンサーリストがあります。アンケートの回答ローデータではコメントの羅列状態になっているため、たいていは回答者のテーマステータスに応じて分類してリストを作成します。

また、自由回答内容を選択肢データ化してランキングデータを作成する場合もあります。これはあらかじめ選択肢出しが難しいトピックスの時に行うアフターコーディングという方法ですが、調査会社に依頼するとオプション料金としては少し高めのメニューになっています。

自由回答の主な用途
自由回答の主な用途には、直前の質問の回答理由、利用や体験のエピソード、サービスに対する要望などがあります。

自由回答を使うメリット
自由回答は回答者の考え・思い・工夫を知ることができるのがメリットです。回答内容を通じて相手の状況・物事の状況を具体的に知ることができるので、調査結果を見ていると回答者グループに共通する価値観や行動パターンを参照することができます。

自由回答を使う際の注意点
自由回答の注意事項として、十分な回答数が集まる表示形式になっていることを心がけます。積極的に意見を書いてもらう質問タイプなので、回答者の調査テーマに対するステータスやアンケート実施上の関係性によっては面倒に思われてしまう質問でもあります。

回答をしっかりと記入してもらって回収精度を上げるには、質問内容に適した入力欄を設ける(単語で尋ねる場合は狭く、文章で尋ねる場合は広く)、重要質問は単独の画面で表示する(意識を集中して回答してもらう)といった工夫を凝らすことも大事です。
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質問タイプの使い分けを、設計画面で確認する

単一回答・複数回答・自由回答は、それぞれ役割が異なります。使い分けは、実際の設問を見ながら判断するのが効果的です。

Freeasyでは、質問タイプを切り替えながら設計できるため、記事で解説した形式の違いを実感できます。質問タイプ設計を実践したい方は、Freeasyのサービス紹介資料をご確認ください。

本シリーズで学べるアンケート設計・実務ノウハウ

本シリーズでは、アンケート設計から実査直前までを「完全体系化」し、企画書・調査票をはじめとする、調査活動で必須となる代表的なアウトプットに関するノウハウを解説しています。

各記事はそれぞれ独立して読める構成になっていますが、シリーズ全体を通して読むことで、アンケート業務を実務レベルで一貫して理解できるよう設計されています。

📚記事一覧(調査票編)

1.質問数

2.回収数

3.企画書

4.共有情報

5.ツール導入

6.運営体制

7.質問リスト(設問設計の骨格)

8.質問タイプ(形式)

9質問文作成(文章)

10.選択肢作成(中身)

11.ウェブ画面調査票(UI)

12.開始前の最終準備(最終回)

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