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アンケートの目次を果たす質問リスト|Freeasyリサーチアカデミー

目次[非表示]

  1. 第4回前半のテーマ:「アンケートの目次を果たす質問リスト」
  2. ①調査票の全体像を一覧表で見せる
  3. ②調査票作成のスピードと精度を上げる
  4. ③調査票を1つのストーリーで構成する
  5. 次回のブログテーマは「アンケートの質問タイプの使い分け方」
  6. Freeasyリサーチアカデミー第4回オンラインセミナーのご案内

第4回前半のテーマ:「アンケートの目次を果たす質問リスト」

アンケートの調査票作成は時間と共にパズルのように複雑化していきます。きっと皆さんも、「どこにどの内容があったか覚えきれない」「質問順序の入れ替えにすごく手間取る」「関係者に共有する形式を迷う」などの葛藤を抱えていることでしょう。

今回のテーマは「アンケートの質問リスト」です。主にユーザーアンケートを設計・運用されている方を念頭に置いて、調査票を作成するにあたって必要な考え方となる「全体の論理構造」「スピードと精度」「ストーリー化」のコツを解説していきます。

解説するのはリサーチャーの菅原大介氏です。

>>講師のリサーチャー菅原大介氏についてはこちらから

①調査票の全体像を一覧表で見せる

質問リストのイメージ

質問リストとは、文字通り「質問の一覧表」です。質問番号・質問項目・質問タイプなどをひと目で確認できるようにしたものです。調査票のはじめにあって調査の内容や全体の構成を確認できることから、本における「目次」のような役割を果たします。

例示の図は、アンケート調査の定番テーマである「利用実態調査」を本調査のみ15問で作成した時の質問リストのイメージです。数個の質問から成るトピックスを軸に、イメージ・利用習慣・満足度・基本属性という順番で展開していることがわかります。

この質問リストがあることによって、どんな内容を、どんな順序で、どれくらいの負荷を伴ってアンケートが計画されているのかがわかります。個々の質問文の羅列から成る調査票本体と比べると、圧倒的に視線移動が少なく、要点が明快になっています。

なお本記事の構成上、図表では質問リストが二段組みになっていますが、実際にはテキストあるいはエクセルのファイルで作成し、質問は縦一列に整列させます。レポートに転記する時にも、できるだけ視線移動が少なくて済むレイアウトを講じましょう。

②調査票作成のスピードと精度を上げる

質問リストを作成するメリット

上記でご覧いただいたような質問リストを作成すると、調査票の準備時に次のようなメリットを得ることができます。

a.質問事項を端的に理解できる

もし質問リストが無い状態でアンケート調査票にどんな質問があるのかを確認しようとすると、いちいち調査票内の質問を見に行く必要があります。しかも調査票のどの場所に参照したい項目が出てくるのか、作成した本人もすべて記憶していられません。

質問リストを作って質問項目を記載しておくと、その調査でどんなことを調べようとしているか端的に理解することができます。報告時や問合せを受ける時に質問文をすべて読み上げる・読み返すことがないよう、質問項目を参照できるようにしましょう。

b.トピックス別の配分がわかる

質問リストを用意すると、どのトピックスにどれくらいの質問数を割いているのかを可視化することができます。尋ねている質問の数はトピックスに対する関心の表れであり、調査の目的や用途に照らして適正な配分になっているか確認するようにします。

この確認作業が無いと、アセスメント・モニタリングや基本属性の項目ばかり増えて、「本当に知りたかったこと」に質問数を割けていなかった、という事態にもなりかねません。このように、質問リストは優先度・重要度を整理する面でも役立ちます。

c.質問ごとの入替・削除が容易

調査票の作成時に質問を入れ替える作業は頻繁に発生します。特に関係者から追加の希望項目が上がってくる場面では、しばしば難しいパズルのように質問の順番を並び替える作業が発生します。出来ているものを崩す作業はなかなか神経を使うものです。

質問リストを作っておくと、質問間の意味的なつながりや回答上の流れがある程度整理された状態にあるので、入替・削除の判断を容易にできます。リストが無いと単問に対して取捨選択することになり、判断を誤ると全体のバランスがおかしくなります。

d.重要な共通表記を揃えられる

アンケートではテーマや依頼主の特性に応じて、調査全体で共通して使用する言葉があります。皆さんもアンケートで話題に上げるジャンル・トレンド・専門技術・生活習慣などの言葉の言い回しにはかなり気を遣って調査票を作成していることでしょう。

しかしこの共通表記は、調査票作成関係者や記載する場所が多くなるほど、少しずつずれていきます。表記のルールは別途作成しておくようにしつつ、質問リストがあるとこのずれに気づきやすいので、重要な共通表記を揃える良い確認機会にもなります。

e.質問タイプの正誤に気づける

質問リスト上では各質問の質問タイプ(選択式・記述式など)を一覧で見ることができます。基本的に質問タイプの掲載は流れや負荷を把握するために付けるものですが、自分が誤って記載してしまっていたり、関係者間の誤解に気づく機会にもなります。

多くのケースでは「調査票内の記載は合っていてリストだけ間違っていた」という取り越し苦労で済むのですが、それだけ質問タイプの記号や表記を誤って記載しやすいことの裏返しでもあるので、万一にも取り違えることが無いよう予防措置を取ります。

f.調査票作成にすぐ移行できる

質問リストを作っておくと、調査票の作成にすぐ取り掛かることができます。質問作成に関連する主要な骨子(質問番号・質問事項・質問タイプなどの決め事)が整理できているので、後は個々に質問の中身を広げていく作業に集中することができます。

全体が簡単な2~3問程度であれば質問を先に書き出していっても良いのですが、5問を超えてくると質問間の関係性を常に気にする必要があるため、質問の中身を書く作業と全体を整える作業は別に進めます。(もちろんある程度行き来もするでしょう)

③調査票を1つのストーリーで構成する

質問を1つのストーリーにするポイント

アンケートは全体を通じて1つのストーリーになるように質問を構成するのが良い、とよく言われています。回答者が回答をしやすい質問構成にするには、内容や意味の面でのつながりのほかに、次のようなポイントを心がけるとスムーズに作成できます。

a.行動データから意識データの順に並べる

現在や過去の行動内容を問う質問は答えが決まっているため、回答者にとっては反射的にすぐ選びやすい質問です。反対に、物事についての意識を問う質問は立場や思考を振り返ってもらう必要があるため、回答者にとっては時間がかかる質問と言えます。

そのため、質問の順序は「行動データ」から「意識データ」の順に並べると、比較的スムーズな回答体験をつくり出すことができます。もちろん全体が行動調査あるいは意識調査の場合もあるでしょう。その時は以下に続く項目を意識してみてください。

b.選択回答から自由回答の順に並べる

一般的には選択式の方が記述式よりも答えやすい回答形式となっているため、質問は選択回答から自由回答の順に並べていくのがセオリーです。選択肢で思考や立場をあらかじめ整理してもらい、その後自由記述をしてもらうという段取り効果もあります。

例外的に自由回答が先行する形式として、純粋想起と呼ばれる方法論があります。これはイメージ調査などでよく使われる手法で、はじめに回答者の頭の中にあるワードや表現力を引き出し、ありのままの用語・意見・状況などを確認していくやり方です。

c.利用・体験の時系列順で並べる

アンケートのテーマは消費行動や生活習慣を尋ねることが多いので、質問の並び順もおおよそ利用・体験の時系列(場面展開)の順番で並べていきます。そうすると回答者も過去の記憶をウォームアップしながら、判断や意見を深めていくことができます。

アンケートのビギナーの方に多いのが、初めに書き出した順の質問構成になっていて、その時点では流れに問題が無くても、後から質問を付けたりする際に飛び飛びの展開になり、時間切れでそのまま開始してしまうケースです。質問リストで防ぎましょう。

次回のブログテーマは「アンケートの質問タイプの使い分け方」

Freeasy担当からお知らせです。次回、第4回(後半)のブログでは、今回の続きで「アンケートの質問タイプの使い分け方」をテーマに菅原氏に解説いただきますので、ご期待ください!(7月中旬公開予定)

>>第4回(後半)のブログ「アンケートの質問タイプの使い分け方」へはこちらから

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※オンラインセミナー(企画書編・調査票編)は、2022年9月29日のセミナーをもちまして終了となりました。大変ご好評をいただき誠にありがとうございました。引き続きブログを公開中です。​​


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