アンケート運営体制の作り方|担当者アサインと役割分担の考え方

アンケート運営において「チーム編成」が重要な理由

自社でアンケートを行う際、「チーム編成」は最初のタスクになります。人員と業務が整理できていないと、「一人が抱える工程が多すぎる…」、「正しい進め方がわからない…」、「確認事項が多くて追いつけない…」、などの機能不全に陥ります。

今回のテーマは「アンケートの運営体制」です。主にユーザーアンケートを推進・改善されている方を念頭に置いて、現行リソース内でアンケートの実施精度と業務効率を同時に高めていく、「要員計画」「業務分担」「連絡方法」を解説していきます。

解説するのはリサーチャーの菅原大介氏です。

👤講師:リサーチャー 菅原大介氏について

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要員計画を立てて担当者アサインを整理する

アンケートプロジェクトに必要な主な役割

アンケート調査のプロジェクトは業務が複合的であるため、あらかじめ業務工程と必須要員を把握をしておき、企画書上でしっかりとした要員計画を立てます。調査プロジェクトのチーム編成は下記を参考に、担当者をアサインしていくと良いでしょう。

PM(プロジェクトオーナー)

案件の企画決裁や進行管理を行う担当者です。PMの仕事は、企画を判断したり、人員を手配したり、利害関係を調整したりするため、管理スキルが求められます。むしろ調査についての知識はそこそこでも良いのですが、判断経験が無いと務まりません。

実際の現場では起案者がそのままこの立場に収まるケースが多いのですが、気をつけて欲しいのは当人の職制です。新人には難しいので、マネジメントラインのリーダーか、技能職でコミュニケーション力が高いリーダー相当のメンバーが良いでしょう。

アンケート業務は「質問を作って配信するだけ」と軽く捉えられがちなのですが、各工程の実務では定義・実行するタスクが多く存在します。ですので、初期は部門責任者がPMを兼務して、自社における業務設計後に担当者に引き継ぐ形がスムーズです。

調査原案作成

調査票の原案を作成する担当者です。リサーチャーが在籍しない多くの組織では、企画・開発・営業・広報など、アンケートの実施主体部門の担当者がまず原案を作成します。特に目的や用途は起案部門にしか書けない情報なので重点的に書き留めます。

また各部門の強みを活かして原案を相互に洗練させていくことも重要です。企画部門は業界情報や商品特性、営業部門は固有名詞や主要数値など、それぞれが持っている情報を持ち寄ることで、ビジネスと乖離がない調査内容を準備することができます。

調査票作成

実際のアンケート内容を調査票形式で作成する担当者です。ほとんどのケースでは各部門の起案者がそのまま調査票作成を行うことになると思いますが、社内の調査経験者を手配したり、担当者を研修に派遣したり講師を付けて育成することも重要です。

アンケート作成は、業務として「できてしまう」のは確かですが、本来は専門性を伴います。失敗するとデータが不確かなものになったり、回答者ユーザーに迷惑がかかったり、トラブルにつながる要素を含むため、組織で長期的な視野を持ちましょう。

画面作成

アンケートシステムでウェブ画面調査票を作成する担当者です。この工程は入力ルールを理解して画面上に反映できれば良いので、調査票作成者がそのまま行うか、あるいは事務アシスタントスタッフの稼働が都合できると早く対応を完了させられます。

もし事務アシスタントスタッフがプロジェクトに加わることができる場合、仕事内容として事務面の運用や管理に適性を持っていることが多いので、案件の進捗管理やデータファイルの整理などもカバーできると、PMの負荷を軽減することができます。

配信リスト抽出

調査対象となるユーザーの識別情報(ID・メールアドレスなど)を、指定条件に基づいてデータベースなどからリスト抽出する担当者です。会員データベースへのアクセス権限が必要なため、通常はマーケティング部門かシステム部門の役割となります。

業務内容はザ・作業なのですが、データベースが巨大な場合はSQLを使用できる必要があったり、対象者条件に合致する人が1回で出揃わない場合、どのようなフラグだと元の希望に近づけることができるなど、データの取り扱い適性が一部問われます。

アンケート配信

アンケートの配信を設定・実行する担当者です。内製型調査の場合、多くはメルマガに載せて通知する方法を取ります。そしてメルマガツールの管理画面はオペレーションが複雑になっていることもあるため、メルマガ担当者かCS部門の協力を得ます。

この工程はアンケート実務の中でも盲点になりやすく、環境的・技術的には一斉配信が可能であっても、データベース全体のロードバランスやツールの仕様的に運用スケジュールが空かない・噛み合わない場合もあるので、早い段階で協議しましょう。

チェック(CS・法務)

アンケートの作成・配信にあたり、主に個人情報管理・サービス利用規約・ユーザーコミュニケーションポリシーの観点から内容をチェックする担当者です。ユーザー対応なので大きな会社ならばCS部門が、それ以外では法務部門に協力を依頼します。

チェックを受けることで全体の動きが重たくなることを嫌うプロジェクトメンバーもいるかもしれませんが、何かミスがあった時の事故はとても大きいので、初めからオープンに監修依頼しておくことが当事者の自分たちにとってもセーフティーです。

回答謝礼付与

アンケートに回答してくれたユーザーにポイントやギフト券などの回答謝礼を付与する担当者です。ユーザー管理業務の一環となるため、前出の配信リスト抽出やアンケート配信に近く、CS部門かマーケティング部門で実行するケースが多くなります。

ここもシンプルな作業のようでいて煩雑で、照合内容がメールアドレスならばドメインのチェック、退会者や重複者が含まれていないかのチェックなど、配布漏れや授受ロスが発生しないよう、注意深くリストをクリーニングできる人が向いています。


以上が実査工程までを内製で行う場合の主な担当体制になります。もちろんそれぞれの工程が熟練者とは限りませんから、経験・技能・稼働を社内で補完し合って、都度ベストなアサインを目指しましょう。(不足機能は支援会社を頼るのも一手です)

責任領域ごとに監修・判断権限を明確にする

アンケート運用では、社内で複数の意見が挙がっている方法の中から、最終的により望ましい1つを選ぶ場面が多々あります。その状況にスムーズに対応するには、あらかじめ各業務領域の監督者に方針や判断を委ねる権限移譲を進めておく必要があります。

調査票作成における監修権限の考え方

調査票作成における監修権限です。質問タイプや回答対象者が合っているかといった簡単な論理審査・文字校正のほかに、AとBではどのような違いが出て自社ではどちらが良いか?といったケースに対して、方針と判断を当人の知見に委ねるようにします。

お客様対応・情報管理における監修権限

お客様対応における監修権限です。特に告知に係る案内物に関して、アンケートの趣旨が曖昧になっていないか、期限や謝礼が適切か、機密情報などを含んでいないかなど、趣意審査・情報審査の観点で、会社としてのベストを当人に委ねるようにします。

もちろん1つのプロジェクトである以上、合議制で物事を話し合っていくのですが、誰かの知見や経験に合わせないと埒が明かないことも多いため、最終的な判断は各監督者に預けるようにします。ここはスキルベースで社内人材を登用していきましょう。

関係者間の連絡方法と情報共有ルールを定める

アンケート業務における連絡方法の基本

調査プロジェクトは非常に多くのタスクを取り扱うため、関係者間で行うコミュニケーション量も膨大になります。一方、それゆえにコアメンバー以外の関与度が徐々に薄れ、絶え間なく共有連絡を行うことで確認の熱量が落ちるデメリットも出てきます。

そうならないようにするには、連絡内容に応じて連絡方法を使い分けることがポイントです。まず、経過や期日は常に全員が同期されている必要があるため、定例会議での進捗報告やカレンダー登録を活用して、進捗に乖離が無いことを全員で確認します。

連絡手段を使い分ける際のポイント

一方、各自がすべての関連情報を追いかけるのはしんどいので、計画と実績は関係者全体メールで各工程ごとに共有しつつ、調査票作成やメール配信などにおける細かい議論は、工程別の個別メールで行い、連絡確認者をむやみに増やさないようにします。

特にグループメッセージツールは便利ですが、チャンネル・スレッド・DMグループなどを立てすぎると、どこでどんな情報を交わしたかわかりづらくなるため、オープンとクローズドの場をはっきりさせて、連絡・確認の体制を最適化するとよいでしょう。

>>関連テーマ 第3回(前半)『アンケートツールの導入時に吟味する項目』のブログはこちらから

無理のない体制で、アンケートを継続運用する

アンケート業務は、属人化すると継続が難しくなります。役割分担や進め方を整理しておくことが重要です。

Freeasyを活用すれば、設計・実施・回収を社内で完結できるため、チーム体制に合わせた運用が可能になります。運営体制を整えたい方は、Freeasyのサービス紹介資料をご確認ください。

本シリーズで学べるアンケート設計・実務ノウハウ

本シリーズでは、アンケート設計から実査直前までを「完全体系化」し、企画書・調査票をはじめとする、調査活動で必須となる代表的なアウトプットに関するノウハウを解説しています。

各記事はそれぞれ独立して読める構成になっていますが、シリーズ全体を通して読むことで、アンケート業務を実務レベルで一貫して理解できるよう設計されています。

📚記事一覧(調査票編)

1.質問数

2.回収数

3.企画書

4.共有情報

5.ツール導入

6.運営体制

7.質問リスト(設問設計の骨格)

8.質問タイプ(形式)

9質問文作成(文章)

10.選択肢作成(中身)

11.ウェブ画面調査票(UI)

12.開始前の最終準備(最終回)

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