デルファイ法とは|リサーチ マーケティング用語集
デルファイ法
デルファイ法とは
デルファイ法とは、アンケート手法の1つで、専門家の集団に対して同一のアンケート調査の回答を求め、その調査結果を全員に提示し再び個別に回答を求める過程を繰り返し行うことで、意見の収れんを図る(一つに集約する)という手法です。
1950年代にアメリカの大手シンク・タンクである、ランド研究所で開発され、国防計画の策定等に活用されてきました。日本では、科学技術庁(現文部科学省科学技術・学術政策研究所)が昭和46年(1971年)に科学技術予測調査を開始し、30年先までの技術動向を予測しています。
英語表記は、delphi method。
デルファイ法の基本的な流れ
(1)意見集約したい項目について、アンケートを作成。
(2)専門家(50人以上が望ましい)にアンケートの記入依頼。
(3)アンケートを回収し、不明点について専門家にヒアリング。
(4)必要な場合、結果をグルーピングし、匿名でアンケート結果を専門家にフィードバック。
(5)専門家は匿名の意見を確認し、再度アンケートに回答。
(6)上記(3)~(5)を3回以上、繰り返す。
(7)意見を集約し、専門家の最終見解として結果を整理する。
デルファイ法のメリット
最大のメリットは、数十人以上の専門家の多様な意見を収集し、各々の意見を同等の重要度で評価できることです。アンケートは匿名で意見を収集するため、「権力や権威がある人物の意見は正しい」というような余計なバイアスが入らず、個々の見解・価値観による独立した意見を集約することができます。
また、2回目以降のアンケート調査で、前回の調査結果を回答者にフィードバックし、回答者は全体の意見の傾向を見ながら、各自で質問課題を再評価することが、一般的なアンケート調査とは異なる大きな特色です。
デルファイ法のデメリットと上手な活用方法
デメリットとしては、回答者となる専門家の選定が非常に重要であること、アンケートを繰り返し実施するため調査にも取りまとめにも時間がかかること、意見の集約のために強要や誘導がおこなわれないよう注意する、等が挙げられます。
また、人が予測している将来の動向であるため、精度がぶれる(予測が外れる)可能性があります。結果を完全なものとして捉えるのではなく、あくまで1つの指針として受け止めることを忘れないようにしましょう。
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