ゼロパーティデータとは?意味・収集方法・活用事例をわかりやすく解説
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.ゼロパーティデータとは
- 3.ゼロパーティデータとファーストパーティデータの違いなど
- 3.1. ファーストパーティデータ
- 3.2.セカンドパーティデータ
- 3.3.サードパーティデータ
- 3.4.ゼロパーティデータ(おさらい)
- 4.注目されるようになった背景
- 4.1.世界の動きタイトル
- 4.2.日本の動き
- 4.3.クッキー規制によりできなくなること
- 4.4.今後の展望
- 5.ゼロパーティデータの収集方法
- 5.1.セルフアンケートで集める
- 5.2.ヒアリングで集める
- 5.3.SNSの活用で集める
- 5.4.クイズや診断コンテンツで集める
- 5.5.チャットボットで集める
- 5.6.会員登録フォームで集める
- 6.収集のポイント
- 7.対話型マーケティングとインセンティブ設計
- 8.ゼロパーティデータの活用シーン
- 9.ゼロパーティデータのメリットとデメリット
- 9.1.メリット
- 9.2.デメリット
- 9.3.注意点:収集したデータに「反応しない」場合のリスクとは
- 10.国内外のゼロパーティデータ収集キャンペーン事例
- 10.1.ラコステ ジャパン(日本):デジタルキャンペーン
- 10.2.JTB(日本):「クイズに答えて旅に出よう」キャンペーン
- 10.3.ニュージーランド航空(NZ):「You Say Yay」
- 10.4.Les Mills グループ(NZ)
- 11.よくある質問(FAQ)
- 11.1.ゼロパーティデータの代表的な収集方法はセルフアンケート、ヒアリング、SNSの活用の3つとのことですが、他にはどのような方法がありますか。
- 11.2.ゼロパーティデータのデメリットの一つは、データに統計的な有意性がないことですが、商品開発などでは別に定量調査などが必要になるのでしょうか。
- 11.3.ゼロパーティデータの収集事例では、チーターデジタルのようなマーケティングテクノロジーベンダーとのコラボレーションが目立ちますが、自社のみでも行えるのでしょうか。
- 12.はじめの一歩:ゼロパーティデータ活用のチェックリスト
- 13.おわりに(まとめ)
- 13.1.\本記事の内容をまとめた資料/
- 13.2.\ゼロパーティデータの収集手段を検討中の方へ/

はじめに
ゼロパーティデータとは、消費者が自らの意思で、企業に活用されることを了承したうえで提供するデータのことです。ここでは、ゼロパーティデータについて、基本情報、データ収集のポイントなどを、事例を交えながら分かりやすく解説していきます。
この記事を読んで分かること、できるようになること
- ゼロパーティデータの意味、注目されている理由、収集方法を正しく理解できる。
- ファーストパーティデータ・セカンドパーティデータ・サードパーティデータとの違いが分かる。
- ゼロパーティデータの具体的な事例を知ることができる。
- ゼロパーティデータの資料を無料でダウンロードできる。
ゼロパーティデータとは
ゼロパーティデータとは、消費者が自らの意思で、企業での活用に同意したうえで提供するデータのことです。2018年に米国の調査会社「フォレスター社」が提唱した概念で、企業は消費者の趣味・嗜好や価値観に関する情報を直接収集できます。サードパーティCookieに依存しないデータ取得手段として、近年注目を集めています。
ゼロパーティデータとファーストパーティデータの違いなど
ゼロパーティデータと似た名前のデータはたくさんあります。ここでは他のデータとの違いを比較しながら解説していきます。
ファーストパーティデータ
ファーストパーティデータとは、企業が顧客の許可を得て直接収集・追跡したデータです。Webサービス上のクリック操作や、顧客の登録情報(氏名や住所など)が含まれます。
セカンドパーティデータ
セカンドパーティデータとは、企業が自社では収集しにくいデータを、パートナー企業などから取得したデータです。例えば、ポイントサービスを提供しているパートナー企業が持つ詳細な会員情報などが該当します。
サードパーティデータ
サードパーティデータとは、自社やパートナー企業が保有していない、第三者機関が収集したデータです。国や政府機関が公表しているオープンデータ、リサーチ会社が提供する情報、企業情報なども含まれます。
ゼロパーティデータ(おさらい)
セロパーティデータとは、顧客が自発的に共有してくれるデータです。アンケートの回答や、サービスへのプロフィール登録などによって得られます。他の3種類のデータと比較すると、正確性と信頼性の高さがゼロパーティデータの強みだと分かります。
近年は、これらの違いを「行動からの推測」か「顧客本人による宣言」かという観点で整理する解説も増えています。閲覧履歴などの行動データはあくまで企業側の「推測」にとどまるのに対し、ゼロパーティデータは顧客自身が自発的に共有している点が、他のデータと一線を画す最大の特徴です。
下記は、4種類のデータの特長をわかりやすくまとめた比較表です。
比較軸/データ名 | ゼロパーティデータ | ファーストパーティデータ | セカンドパーティデータ | サードパーティデータ |
データの性質 | 顧客が自発的に共有する情報 | 企業が顧客の許可を得て直接収集した情報 | パートナー企業から取得した情報 | 第三者機関が収集した情報 |
主な入手経路 | アンケートの回答やプロフィール登録 | Webサービス上のクリック操作や登録情報 | パートナー企業が持つ会員情報など | 国・政府機関のオープンデータ、リサーチ会社の情報、企業情報など |
情報の確からしさ | 高い(本人が自ら提供) | 比較的高い(実際の行動に基づく) | パートナーの管理状況に応じて変動 | 相対的に低い(規制強化の影響も受けやすい) |
向いている使い道 | 個人の趣味・嗜好に応じた提案 | 自社での接点を活かした再アプローチ | 自社にない情報の補完 | 自社・パートナー以外の情報の補完 |
注目されるようになった背景
世界の動きタイトル
ゼロパーティデータが注目されるようになった大きな背景は、2017年にAppleがサードパーティクッキーの利用制限を開始したことです。
翌2018年にはEU(ヨーロッパ連合)がGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規制)の適用を開始し、クッキーを個人データ(特定の個人を検索可能にするデータ)に指定、収集には同意が必要と定めました。これにより、クッキー単体が個人情報として扱われることになりました。
同年、米国のカリフォルニア州でもGDPRと同等の法律であるCCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州消費者プライバシー法)が成立し、規制の動きは全米に広がっていきました。
その後、主要なブラウザの一つである「Firefox」がサードパーティクッキーを自動的にブロックする機能を搭載し、Microsoftの「Edge」もクッキーの管理・削除機能を搭載するなど、プラットフォーマーによる自主規制も進みました。
一方、世界最大のシェアを持つブラウザ「Chrome」の開発元であるGoogleは、当初2024年からサードパーティクッキーを段階的に廃止する方針を掲げていましたが、2024年7月にこの方針を一度撤回し、2025年4月にも改めて「Chromeでの一律廃止は見送り、ユーザーが選択できる仕組みを維持する」と発表しました。さらに2025年10月には、代替技術として開発していたPrivacy Sandbox APIそのものの提供終了も発表しています。
つまり、Chromeにおけるサードパーティクッキーは当面残る一方、SafariやFirefoxでは既にブロックが標準化されており、規制・自主規制の流れ自体は変わっていません。企業側には、ブラウザの方針転換に左右されない自社データ基盤の構築が、引き続き求められています。
日本の動き
世界での規制の動きを受けて、日本でも2022年に個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)が改正され、クッキーを提供先で個人データと紐づけられる場合に限り、同意による収集が必要になりました。ただしクッキー単体は個人情報に当たらないとされ、欧米と比べると緩やかな内容でした。
しかし、2023年6月に施行された改正電気通信事業法では、クッキーを通じてWebサイト利用者の情報を外部に送信する場合、一定の情報提供が義務付けられました。
「外部に送信」とは、Webサイトに埋め込んだプログラムによって、利用者の閲覧履歴や利用端末の情報などを外部に送信・収集することを指します。規制対象には、第三者のWebサーバーへの送信だけでなく、事業者が保有する別のWebサーバーへの送信も含まれます。
「情報提供」とは、外部送信について通知または公表することを意味します。つまり、国内でも欧米と同水準まで規制が強化されたということです。
クッキー規制によりできなくなること
前述の規制によりできなくなることは下記の通りです。
- 広告の接触回数を、サイト横断・トータルで把握する。
- 自社サイト訪問前の広告接触と貢献度を分析する。
- サイトを横断してユーザーの行動履歴を収集し、ユーザー属性を推計する。
- 一度サイトにアクセスしたユーザーを追跡し、再度広告を配信する
今後の展望
Cookie規制はブラウザや地域によって対応が分かれており、Googleの方針が今後さらに変わる可能性もあります。企業には、特定のブラウザや技術の動向に依存せず、ゼロパーティデータやファーストパーティデータを中心とした自社データ基盤を整えておくことが求められます。
ゼロパーティデータの収集方法
ゼロパーティデータの代表的な収集方法は、セルフアンケート、ヒアリング、SNSの活用の3つです。加えて、診断コンテンツ・チャットボット・会員登録フォームという方法もあります。1つずつ説明していきます。
セルフアンケートで集める
ユーザーに「簡単なアンケートに答えていただければ、適した商品やサービスをご案内できます」といったメッセージを送り、情報を収集する方法です。Web上でのアンケートや郵送調査などが該当します。
自社でセルフ型のアンケートフォームを用意する場合は、アンケートシステムのようなツールを使うと、質問設計から集計まで一貫して行えます。
ヒアリングで集める
オペレーターが電話などでヒアリングし、顧客から同意を得たうえで、回答内容を顧客管理システムに取り込む方法です。例えば、サービスの中でよく利用する機能や、解約理由、理想の価格帯など、目的に合わせた質問をおこないます。
SNSの活用で集める
ユーザー自身のSNSで、自社の商品やサービスに関する情報を発信してもらう方法です。利用シーンや使用した感想を把握できるほか、SNSによる拡散も期待できます。
クイズや診断コンテンツで集める
顧客の好みや状況によって結果が変わる“診断コンテンツ”を用意して、回答の過程で情報を得る方法です。例えば「自分に合った収納スタイル診断」のように、結果を知ること自体に楽しさや実用性を感じてもらえる設計にすると、通常のアンケートよりも参加のハードルを下げられます。
チャットボットで集める
Webサイトのチャット機能を使い、会話の流れの中で必要な情報を少しずつ尋ねる方法です。一問一答のフォームに比べ堅苦しさが出にくいため、途中離脱してしまう顧客を減らせる点がメリットです。
会員登録フォームで集める
会員登録の入力項目に、選択式の簡単な質問を1~2問加えておく方法です。登録という顧客自身が能動的に行う手続きの中に組み込むことで、別途アンケートを送らなくても、最初の接点から役立つ情報を得ることができます。
収集のポイント
ゼロパーティデータの収集には、顧客の手間や負担の軽減、データ収集の目的や結果の提示、社内での目的の明確化という3つのポイントがあります。
ポイント①顧客の手間や負担を軽減する
質問の回答時間や回答数を考慮し、顧客の負担を最小限に抑えることが重要です。そのためには、カスタマージャーニーの設計が有効です。カスタマージャーニーとは、顧客がサービスを受けるプロセスを時系列で図式化したもので、顧客が質問に正確かつスムーズに回答できる仕組みづくりに役立ちます。
ポイント②データ収集の目的や結果の提示を予告する
顧客の不安や不信感を解消し、前向きな回答を得るためには、データ収集の目的や結果の発表をあらかじめ予告することが重要です。新商品開発やサービス向上のためにアンケートを実施している場合は、その目的を提示したり、自社HPや会員サイトで結果を発表したりすることで、ユーザーの安心感につながります。
ポイント③社内での目的の明確化
データ収集の目的は「顧客の声を聴く」だけでなく、収集データのビジネス活用にあります。既存商品の改善に役立てたいのか、新商品開発に役立てたいのかによって、聞くべき相手や内容、分析方法は変わってきます。また、目的が「顧客満足の向上」だけでは施策が曖昧になりやすい点にも注意が必要です。
対話型マーケティングとインセンティブ設計
ゼロパーティデータは、企業が黙って収集するものではなく、顧客とのやり取りの延長として得られるものと捉えると、設計しやすくなります。
診断コンテンツやチャットボットのように、双方向でやり取りできる仕掛けを用意しておくと、顧客は一方的に質問されている感覚にはならず、情報提供への抵抗感も和らぎます。
こうした収集の考え方が、「対話型マーケティング」と呼ばれることもあります。
顧客に「答えたい」と思ってもらうための工夫
顧客に情報を提供してもらうには、「答えることが自分にとっても得になる」と感じてもらう工夫が欠かせません。見返りは大きく、割引や記念品のような“実利的なもの”、回答内容に応じたおすすめ提案や診断結果のような回答者だけが得られる“体験的なもの”、の主に2種類で考えると設計しやすくなります。
2つの違いとしては、実利的な見返りは初めて接点を持つ顧客の心理的なハードルを下げやすく、体験的な見返りはすでに一定の関係ができている既存顧客の満足度を高めやすい傾向があります。
また、クイズ形式や診断コンテンツのように、“回答のプロセス自体を楽しんでもらう設計”も、負担感を和らげる方法として有効です。
ゼロパーティデータの活用シーン
収集したゼロパーティデータは、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールと連携させることで、Webサイトや自社アプリ上でのパーソナライズ表示、メール配信のセグメント分けなどに活用できます。既存のファーストパーティデータと組み合わせることで、顧客一人ひとりに合わせた提案の精度を高められます。
例えば、アンケートで回答してもらった好みや検討状況をもとに、Webサイト訪問時の表示内容を変えたり、メールマガジンの内容を興味関心別に分けて配信したりすることが可能です。ゼロパーティデータは顧客の意思に基づく情報であるため、行動履歴から推測するデータよりも精度の高いパーソナライズにつながりやすい点が特徴です。
ゼロパーティデータのメリットとデメリット
ゼロパーティデータには、「顧客自身が提供した『顧客しか知り得ない情報』を収集できる」というメリットと、「コストがかかる」といったデメリットがあります。また、収集されたデータに統計的な代表性はない点にも留意が必要です。
メリット
- 顧客に的確にアプローチできる。
- 顧客への理解を深められる。
- 顧客のロイヤルティ向上につながる。
デメリット
- 収集の際にユーザーへの対価を用意する必要がある。
- データ収集にコストがかかる。
- ユーザーの同意を得る手続きに手間がかかる。
- 既存顧客や、企業からのアプローチに応じてくれたユーザーに関する分析しかできない。
注意点:収集したデータに「反応しない」場合のリスクとは
ゼロパーティデータ活用でもっとも避けたいのは、収集した情報に対して、その後の対応が結び付かないことです。顧客が時間を割いて回答してくれた内容が、その後のコミュニケーションに反映されないと、「声を聞いてもらえなかった」という不信感につながりかねません。
アンケートや診断で得た回答は、次回接触時のメール内容や提案商品に反映するなど、収集後のアクションまでをあらかじめ設計しておくことが重要です。
国内外のゼロパーティデータ収集キャンペーン事例
ここでは、国内外の企業が実施したゼロパーティデータ収集キャンペーンを4つご紹介します。自社で似た施策を検討する際は、導入事例も参考にしてみてください。
ラコステ ジャパン(日本):デジタルキャンペーン
2021年、チーターデジタル株式会社と株式会社ラコステ ジャパンは、2つのゼロパーティデータ収集施策を実施しました。実施したのは、「チャレンジしたい長袖ポロシャツカラー」「2020年秋冬新作アウターコレクション」という2つのデジタルキャンペーンです。
キャンペーン①「チャレンジしたい長袖ポロシャツカラー」
ラコステの豊富な長袖ポロシャツカラーから、次回チャレンジしたい色を1つ選んで投票してもらいながら、ポロシャツを提案する際に必要なゼロパーティデータを質問形式で収集する施策です。抽選で5名に、最も投票数の多かった色のポロシャツをプレゼントしました。
収集したゼロパーティデータは、以下の通りです。
- ポロシャツの着用シーン
- 好きなポロシャツの色
- チャレンジしたいポロシャツの色
- ポロシャツ以外の購入検討アイテム
キャンペーン②「2020年秋冬新作アウターコレクション」
VIPメンバーに向けてアウターファッションの診断を行い、診断過程でゼロパーティデータの収集を実施。キャンペーンフォーム画面の最後には、診断結果に基づいた2020年秋冬新作アウターを表示し、商品提案を行いました。
収集したゼロパーティデータは、以下の通りです。
- アウターを選ぶ際の好み、こだわり
- 好きなファッションスタイル
キャンペーンの成果
2つのデジタルキャンペーンにより、ラコステ ジャパンがそれまで実施していたアンケート形式よりも参加率が高まったと報告されています。これまでは店舗での接客でしか得られなかった、顧客一人ひとりの趣味嗜好や購買意向に関するデータを、Web上のキャンペーンでも収集できるようになった点が特徴です。
従来のアンケート調査のようなブランド視点での消費者調査とは異なり、「ラコステ」のブランドイメージを体現するインタラクティブなブランド体験を顧客に提供できたことも、大きな収穫だったとされています。
JTB(日本):「クイズに答えて旅に出よう」キャンペーン
コロナ禍のなか、47都道府県別のトリビアクイズを用意し、顧客に楽しんでもらいながら旅行へのニーズを収集しました。10日間で4万件以上のエントリーを獲得したと報告されています。
ニュージーランド航空(NZ):「You Say Yay」
新規の見込み顧客にクイズへ回答してもらうことで、食べたい食事や訪れたいランドマークなどの情報を収集した施策です。ニュージーランド航空の豊富な就航先を見込み顧客に案内できたうえ、新たに500万ドル相当の航空券予約の獲得につながったとされています。
Les Mills グループ(NZ)
世界100か国でグループフィットネスプログラムを展開するLes Millsは、コロナ禍のステイホーム期間中にクイズキャンペーンを実施しました。参加者はトレーニングメニューや生活習慣に関する質問に答えることで、パーソナライズされたトレーニングアドバイスを得られ、さらに抽選でヘッドフォンやスピーカーなど、自宅トレーニングに役立つアイテムを獲得できました。
2019年と2020年の比較では、ソーシャル広告費用が30%削減された一方、新規連絡先情報の獲得は80%まで増加したと報告されています。
よくある質問(FAQ)
ここでは、「ゼロパーティデータ」を実務上で取り扱うにあたり、疑問に思うことの一例を紹介し、解決方法を解説します。
ゼロパーティデータの代表的な収集方法はセルフアンケート、ヒアリング、SNSの活用の3つとのことですが、他にはどのような方法がありますか。
主要な方法はこれら3つですが、賞品付きのクイズもよく使われています。
また、無料セミナーの案内、無料ホワイトペーパーのダウンロード、イベントへの参加など、収集方法は多岐にわたります。
ゼロパーティデータのデメリットの一つは、データに統計的な有意性がないことですが、商品開発などでは別に定量調査などが必要になるのでしょうか。
はい、必要になる場合があります。ゼロパーティデータは顧客自身の意思に基づく情報であるため信頼性は高いものの、統計的な代表性は持ちません。市場全体の傾向をつかみたい場合や、意思決定の根拠として一定のサンプル数・代表性が求められる場面では、ネットリサーチなどの定量調査を組み合わせることが有効です。
一方、既存顧客の満足度向上や不満点の解消が目的であれば、ゼロパーティデータのみで対応できるケースも多くあります。
ゼロパーティデータの収集事例では、チーターデジタルのようなマーケティングテクノロジーベンダーとのコラボレーションが目立ちますが、自社のみでも行えるのでしょうか。
ゼロパーティデータという概念自体が2018年に生まれた新しい概念であり、ラコステ ジャパンの他、ニュージーランド航空とLes Millsグループというニュージーランドの2社の事例も、チーターデジタルとタッグを組んだ成功事例です。※チーターデジタルについて | Marigold Engage+ (チーターデジタル cheetahdigital.com)
日本の千趣会のようにEC分野での実績を蓄積してきた企業は、既にゼロパーティデータ収集のノウハウを有しています。
さらに、データ収集の方法は特に複雑ではないので、今後、メーカーや流通の事業会社が独自で展開していくことが予測されます。
はじめの一歩:ゼロパーティデータ活用のチェックリスト
これからゼロパーティデータの収集に取り組む場合は、次の5つのステップで進めるとスムーズです。
- 取り組むテーマを一つに絞る:「解約理由を減らしたい」「新商品への反応を知りたい」など、改善したい顧客体験を一つ選ぶ。
- 答えてもらうための見返りを用意する:割引や診断結果など、回答者が納得できる価値を用意しておく。
- 小規模で試す:まずは一部の商品やサービス、一部の顧客層に絞って実施する。
- 集めた後の使い道は先に決めておく:CDPやMAとの連携など、回答内容を次のコミュニケーションに反映する仕組みを用意する。
- 反応を見ながら調整する:参加率や回答内容を振り返って、聞き方や見返りを見直す。
おわりに(まとめ)
最後に、ここまで解説してきた内容をまとめました。今一度の確認に活用してください。
ゼロパーティデータとは、消費者が自らの意思で、企業に活用されることを了承したうえで提供するデータのことで、サードパーティクッキーに依存しないデータ取得手段として注目を集めています。
現在ゼロパーティデータが注目されている背景には、世界的な個人情報保護の流れがあります。Googleは2024年以降、Chromeにおけるサードパーティクッキーの一律廃止を撤回していますが、SafariやFirefoxでは既にブロックが標準化されており、規制強化の流れそのものは変わっていません。そのなかで、正確性と信頼性の高さを備えたゼロパーティデータの重要性は、今後も高まっていくと考えられます。
ゼロパーティデータの代表的な収集方法は、セルフアンケート、ヒアリング、SNSの活用の3つですが、他にも無料セミナーへの申し込みやホワイトペーパーのダウンロードなど、さまざまな方法があります。
その際にポイントとなるのは、顧客の手間や負担の軽減、データ収集の目的や結果の提示を予告すること、社内での目的の明確化の3つです。
メリットは、顧客への的確なアプローチにより顧客理解を深め、顧客のロイヤルティを高められることです。デメリットは、コストの高さ(顧客へのインセンティブとシステム運用)、顧客からの同意を得る手間、そして収集データに代表性がないことです。
「ラコステ」のデジタルキャンペーンをはじめ、国内外の事例では参加率やコンバージョンの向上といった成果が報告されています。世界でも日本でも、2018年を元年とするゼロパーティデータの収集事例は、今後さらに増えていくと考えられます。
\本記事の内容をまとめた資料/
本記事で解説した内容をまとめた資料「ゼロパーティデータ マニュアル~ゼロパーティデータとその活用事例」は、下記より無料でダウンロードいただけます。
\ゼロパーティデータの収集手段を検討中の方へ/
ゼロパーティデータは、集め方だけでなく、収集後にどう活用するかによって得られる成果が大きく変わります。そのため、収集から活用までを見据えたツール選びも重要なポイントです。
セルフ型アンケートツール「Freeasy」では、アンケートの設計から配信・回収までをスムーズに行える環境をご提供しています。まずはサービス概要や活用事例をまとめた資料をご覧ください。
【参考文献・ウェブサイト】
『新しいデジタルマーケティングの本』(野村総合研究所 広瀬安彦著、技術評論社、2024年1月)/『(株)千趣会「ゼロパーティデータとは?収集する方法とポイント、活用事例を紹介」』(https://www.senshukai.co.jp/btob/timeline/detail/000170.html)/チーターデジタル(株)「コロナ禍にフィットネスクラブが実践したゼロパーティデータ戦略」(https://www.cheetahdigital.com/jp/blog/jp-les-mills-cheetah-experiences-campaignlocalized/)/「Cookieの仕組みと種類|Cookie規制の影響と対策についても解説」(https://www.cheetahdigital.com/jp/blog/how-cookies-work-and-types-of-cookies/)





