バンドワゴン効果とは｜リサーチ マーケティング用語集

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは

バンドワゴン効果とは、「多くの人が支持しているものに対して、より多くの支持が集まる」という心理効果のことで、マーケティングに活用できる行動心理学の手法のうちの1つです。

例えば、行列ができている店を見た際に、「一度利用してみたい」「みんなが並んでいるから、きっと美味しいお店だ」と利用・購買意欲がそそられて、自分も並びたくなる現象などが当てはまります。

アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインによって提唱され、「バンドワゴン」は「パレードの先頭を行く楽隊車」を意味し、パレードで楽隊車の後ろに多くの人が続く様子をイメージして、バンドワゴン効果と名付けられました。

バンドワゴン効果と並ぶ心理効果

マーケティングに活用される心理効果は、バンドワゴン効果だけではありません。代表的な下記2つの心理効果をご紹介します。

1.アンダードッグ効果

アンダードッグ効果とは、弱く不利な立場の人を応援したくなる心理効果のことです。バンドワゴン効果の対義語にあたります。

「アンダードッグ」は日本語で「かませ犬」という意味で、日本では「判官（ほうがん）びいき」と同じ概念を指します。

例えば、「選挙で【不利な候補者】に同情票が集まる」、「スポーツの試合で【負けている】チームを応援する」などの現象が挙げられます。

2.スノッブ効果

スノッブ効果とは、多くの人が支持しているものに対して、「多くの人が持っているものは嫌、人と違うものが欲しい」と感じて、購買意欲が減少する心理効果のことで、バンドワゴン効果とは正反対の概念です。

市場にあまり出回っていないものや、価値が高いと感じられる商品などの「希少」「限定」といった価値が、人々の行動のきっかけになる概念を指します。

例えば、「旅行中に立ち寄った土産物屋で【地域限定】の商品を選ぶ」「SNSで【話題沸騰中】という紹介を見て、欲しい化粧品を買うのをやめた」「レストランで【限定10食】のメニューが気になり注文した」などの現象が挙げられます。

バンドワゴン効果の活用例

バンドワゴン効果は生活の身近な場面でよく見られます。わかりやすいバンドワゴン効果の事例を3つご紹介します。

1.広告・LPのキャッチコピー

「問い合わせや商品購入などのコンバージョンを得る」という広告・LPの目的に合わせて、キャッチコピーを用いた消費者の購買意欲に働きかける広告の訴求で、バンドワゴン効果は活用されています。

例えば、「お客様満足度99%」「○○の年間ランキング1位」「利用者100万人突破」などの表現が挙げられ、他のユーザーが「この商品を良いと思っている」ことがわかるキャッチコピーが使われます。

このように、単に「人気がある」と言うよりも、「大勢の人が利用している」「満足している」という訴求内容で、「こんなに多くの人が使っているなら自分も試してみよう」と思う心理を誘発することができます。

2.SNSのインフルエンサーによる商品宣伝

SNSネイティブであるZ世代に響きやすく、直近ではCMや新聞などのマスメディアよりも効果があると言われている、インフルエンサー（InstagramやTwitterなどで、フォロワー数や「いいね」の数が多く、発信力の高い人）を活用したマーケティング方法（インフルエンサーマーケティング）においても、バンドワゴン効果が見られます。

自社製品をSNSインフルエンサーに宣伝してもらうことで、そのインフルエンサーを知る消費者の「この人が勧めるなら、買ってみようかな」と考える心理を呼び起こすことができます。

また、「いいねの数が多い投稿をみんなが評価しているから、自分もいいねを押したくなる」「フォロワーが多いアカウントは人気がありそうだから、自分もフォローする」などという心理が働きやすいです。

3.政治、選挙活動

マーケティングだけでなく、選挙活動などの政治においてもバンドワゴン効果が活用されることがあります。

例えば、選挙の予想投票数が開票されると、「ほかの人が多く投票しているなら、自分も同じ政党や立候補者に投票しよう」という気持ちが生まれ、人気の立候補者に多くの票が集まりやすくなります。

また、人が多く集まっている街頭演説において、周りの人も興味を持ったり立ち止まったりするのは、「人気の政党や立候補者なのだろうと考える」心理が働いた効果です。