フリーミアムとは|リサーチ マーケティング用語集
フリーミアム
フリーミアムとは
フリーミアムとは、基本機能を備えた商品やサービスをユーザーに無料で提供し、より高度な有料サービスや商品購入につなげるビジネスモデルのことです。すなわち、「無料ユーザーを増やせば、有料ユーザーに移る絶対数が増やせる」という戦略です。
Web上のフリーミアムとして、「無料ユーザー95%」であっても、「有料ユーザー5%」がいれば、ビジネスは成立するという「5%ルール」が有名です。
2006年にアメリカのベンチャー投資家フレッド・ウィルソンによって提唱された概念で、アメリカの雑誌『WIRED』の編集長であるクリス・アンダーソンが自著『FREE: The Future of a Radical Price』で取り上げたことで広まりました。
英語表記は、Freemium。「フリー(無料)」と「プレミアム(割増料金)」の造語です。
フリーミアムとサブスクリプションとの違い
サブスクリプションとは、商品やサービスについて直接代金を支払うのではなく、ユーザーが毎月(あるいは毎年)定額料金を支払って利用するサービスのことです。
サブスクリプションとフリーミアムの2つのサービスの違いは、「課金方法」にあります。
サブスクリプション |
全ユーザーが継続課金を行い、サービスを利用する。 |
フリーミアム |
一部サービスを無料で解放し、有料プランに移行したユーザーのみ 課金が発生する。 |
フリーミアムでは、無料サービス体験後に有料プランへ課金するため、サブスクリプションよりもサービスの価値をユーザーが無料段階で把握しやすいメリットがあります。
フリーミアムのメリット・デメリット
メリットとデメリットの両面をよく検討したうえで、戦略的に活用しましょう。
最大のメリットは、新規ユーザーを獲得しやすいことです。
一般的に新規顧客の獲得ハードルは高いものですが、フリーミアムは無料サービスで集客するため、SNSやネットで口コミも広がりやすく、消費者がサービスを活用するまでのハードルは低いため、新規ユーザーを集めやすいのが特徴です。
また、ユーザーに無料で基本的なサービスを利用してもらうため、商品やサービスの良さを分かってもらいやすくなり、有料サービスの購入ハードルを下げられるという点もメリットです。
一方でデメリットは、収益が安定化するまでに時間がかかることです。
基本的な機能を無料で提供することから、サービスの運営を開始した当初は収益につながりにくい傾向があります。損益分岐点(利益を出すかどうかの分岐点)を超える時期を予測しにくいのが難点です。
また、フリーミアムはあらゆる事業に適しているわけではありません。無料会員に対して商品やサービスの提供に多くのコストがかかるような事業は不向きといえます。