ABC分析とは|リサーチ マーケティング用語集
ABC分析
ABC分析とは
ABC分析とは、販売品目、顧客、営業担当者などを売上構成比の高い順にランク付けし、累積の構成比の大きさから、A・B・Cの3つにグループ分けをする分析方法です。
どのような商品が売れているかを理解して、その売れ筋商品の仕入れや露出を強化するなど、売上に関する経営戦略を立てるうえで最も基本となる分析手法の1つで、「重点分析」とも言われています。
1950年代にアメリカで考案された、在庫管理における分析方法でしたが、生産や販売に関わるリソースの重要度を測る指標や、顧客の優先順位付けなどに活用目的が拡大してきました。
ABC分析のやり方
累積構成比が70%までの商品をAグループ、70%~90%までをBグループ、残りをCグループという具合に、売れ筋商品とそれ以外に自社の商品を分類します。
エクセルなどで作成したパレート図(※)を用いて可視化することで、管理対象の重要度をより把握することができます。
※パレート図とは、あるものを構成する項目ごとの値あるいは階級ごとの度数を大きい順に並べたものと、その累積の構成比を表す折れ線グラフを組み合わせたグラフのことです。
グループ/重要度 |
売上順グループ分け |
在庫管理方法 |
Aグループ 重要度大 |
売上上位70%までに位置するグループが該当 |
多くの利益をもたらす可能性が高く、商品が売上の大部分を占める最重要品目。在庫切れによる機会損失がないよう、多めに在庫を確保する。 |
Bグループ |
売上上位70%~90%までに位置するグループが該当 |
多少の利益をもたらす可能性があるが、基本的に現状維持で十分である。 |
Cグループ |
A・Bグループどちらにも属さない、残りのグループが該当 |
利益をもたらす可能性は低いため、基本的に在庫を減らすか、より利益が見込める商品への入れ替え、取り扱いをやめるなど検討する。 |
ABC分析のメリット
ABC分析をおこなうメリットは3つあります。
1.売れ筋商品の把握や在庫管理
売れ筋商品を可視化することにより、売上の多くを占めている商品を把握できるため、今後の課題や方向性が見えやすくなります。特に流行や季節に左右される商品が多い場合に効果的です。
上記表内の「在庫管理方法」の通り、Aグループの商品確保を最優先とし、欠品することがないようにしたり、Bグループ・Cグループの在庫数を減らして、その分をAグループに回すといった施策も必要です。
2.マーケティング施策などの定期的な効果測定
マーケティング施策の効果を客観的に測定し、効果のある施策と効果のない施策を区別することができます。
例えば、効果のないオフラインマーケティングをオンラインマーケティングに切り替えるなど、ABC分析のデータを基にして、実施した施策に対する対策を立てやすくなり、より効果的にマーケティング施策を実行することができます。
3.ターゲット層(優良顧客)の把握
売れ筋商品が明確化し、それに伴って商品を頻繁に購入するターゲット層も特定できます。
客単価や購入回数の分析によって利益に貢献している優良顧客を割り出せることで、効果的な広告キャンペーンを展開することが可能になります。販促費をかけて新規顧客を確保するよりも、優良顧客に商品をアプローチする方がコスト削減に繋がります。