バリューチェーン分析とは|リサーチ マーケティング用語集

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは

バリューチェーン分析とは、マーケティング手法の1つで、企業における事業活動の、各工程やプロセスなどのすべての活動を価値の連鎖として捉え、事業の価値を内部分析する際のフレームワークです。

自社の事業活動を可視化することで、各工程に付加価値を見いだし、競合他社と比較して、自社の強み・弱みを分析し、事業戦略の改善策を練ることができます。

「ファイブフォース分析(5Forces分析)」の提唱者としても知られている、アメリカの経済学者マイケル・ポーター(ハーバード大学経営大学院教授)が、著書の『競争優位の戦略』で提唱した考え方です。

英語表記は、value chain analysis。

バリューチェーン分析を実施する目的

バリューチェーン分析のフレームワークは、自社のビジネス・事業を「主活動」「支援活動」に分類して行います。事業工程を可視化し、それぞれを個別に分析することにより、「どこに」「どのような」付加価値が発生しているかを視覚化して分析できます。

実施する目的としては、事業の各工程で発生しているコストや問題点を洗い出し、また、「どこに」「どのような」付加価値が「どの程度」生み出されているのかを正しく把握して、戦略改善のヒントにすることです。

分析の結果によって、余計なコストの削減に役立てたり、商品・サービスで他社との差別化を図ったり、特定の顧客層や商品・サービスにリソースを集中して投資することで優位性を高めることができます。

バリューチェーン分析のメリット

1.自社における付加価値・強み・弱みの把握ができる

上述した「個別の付加価値が発見できる」ことで、自社の強みと弱みを把握できます。自社の持つ強みを把握して伸ばすことで、優位性の構築につながります。

2.競合他社を分析して差別化を図れる

競合他社を分析することで、今後の動向を予測することが可能です。競合他社の動向を考慮して、自社の経営戦略を見直すことができるため、自社の強みを強化したり、差別化を図ることができます。

また、注力すべき工程や、改善が必要な工程も把握できます。企業活動の全体を見たうえで、競合他社と比較しながら優位性を分析できるメリットがあります。

3.無駄なコストを削減し利益拡大できる

各工程がもたらす利益を把握すると、コスト負担が大きくなっている工程を発見できます。
無駄なコストを削減することで、最終的に利益拡大につながります

4.経営資源を再分配できる

企業を経営していくためには、労働力や資金、時間などの経営資源を、最適な項目に配分する必要があります。自社の強みや弱みを把握すれば、利益に貢献している工程に対して優先して人的リソースやコストを投入することができます

また、利益に対してコストがかかりすぎている工程の経営資源を削減して、再配布することが可能になります。

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『ベンチマーク調査とは?意味、項目、手法をわかりやすく解説』はこちら

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