株式会社ベイジ様は、採用サイトやBtoBサイト制作を得意とするコンサル型のWeb制作会社です。
同社ではオウンドメディアで発信するコンテンツの一次情報取得のため大手調査会社にリサーチを委託するも、調査費用の高さとスピード感に課題を感じ、Freeasyを導入しました。回収したデータはコンテンツ化して自社メディアで発信するだけでなく、顧客への提案の材料として活用するなど積極的に活用されています。
今回は執行役員である佐々木様に、Freeasy導入の経緯や成果についてお話を伺いました。
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弊社は自社マーケティングの一環でオウンドメディアを運営しており、日頃から読者にとって有益な情報を発信できるよう努めていました。特に独自性のある定量データは需要が高く、自社でも調査を実施して一次情報を収集できないかと考えるようになったのです。これが実現できれば、弊社がマーケティング支援を提供しているクライアントが抱える顧客の分析にも活かせるだろうという期待もありました。
こうして大手調査会社に委託してアンケートを実施したのですが、そこで3つの課題に直面しました。
1つ目の課題は、高額な調査費用です。以前委託した調査会社では調査からレポートの制作まで100万円を超える費用が発生するので、定期的な利用は難しいと感じました。
2つ目の課題は、コミュニケーションコストです。対象者や設問を設定するたびに「依頼・提案・修正」の工程が発生するので、調査会社とのやり取りに時間を取られていました。また、レポートのまとめ方についても同じように確認の時間がかかりすぎていました。
3つ目の課題は、設計・実施から回収まで約1~2ヶ月かかってしまうスピード感です。冒頭でお伝えした通り、弊社には回収した調査データをコンテンツとして自社メディアで公開したいという意図がありました。しかし、アンケートの準備をはじめてから実施・回収するまでに1〜2ヶ月、その後のコンテンツ化にはさらに1ヶ月かかることを踏まえると、公開までに最長3ヶ月はかかります。このペースだと公開できるコンテンツ数は年間4〜6本程度に留まり、頻度が低いと感じました。
著名なマーケターの方のブログで、Freeasyを活用したデータ分析を読んだことがきっかけです。マーケティング業界でも影響力のある方が愛用していることから、きっと優れたツールなのだろうと興味を抱きました。
問い合わせをしてみて話を伺うと思った通りのサービスでさらに好感を抱きましたが、当時の弊社はリサーチ経験がなく、セルフ型を使いこなせるかという不安がありました。ゆくゆくはFreeasyを使いたいと思いつつ、まずは委託型調査会社を利用してリサーチの流れをつかもうと考えたのです。
調査会社はフォローが手厚く丁寧な反面、スムーズさには欠ける印象でした。その経験を通じて、自在に設問を設計し、欲しい情報を迅速に収集できるセルフ型が弊社には合っているのではないかと思うようになりました。
加えて、調査会社に依存してはノウハウが自社に蓄積されないのではという不安もあります。セルフ型だからこそ得られるリサーチの経験は今後に活きると考え、Freeasy導入を決めました。
サンプルサイズの細かな違いなどはありますが、Freeasyを活用したことで調査にかかる費用は従来の半分以下に圧縮するという、大幅なコストカットを実現しました。
また、アンケートの設計から実施までを社内で完結できるようになったことも個人的にはよかったです。Freeasyなら、調査に関するある程度の知識があれば簡単に画面作成ができます。一般的な調査会社では、こうした作業も代行してもらえるので親切ではありますが、どうしても外部とやり取りが必要になり、コミュニケーションコストは増えてしまいます。丁寧な支援は初心者にとってはありがたい反面、効率的にデータを集めてコンテンツ制作に時間をかけたい私たちにとっては、その手間を省けたことのほうがより有意義でした。
さらに大きな変化は、アンケートの設計から実施、回収までのスピードの改善です。従来の方法では調査設計の確認や調査実施の指示、レポートスタイルの説明など、ステップごとのやり取りやチェック作業に取られていましたが、それらが不要になったおかげで、コンテンツ制作の着手が飛躍的に早くなりました。具体的には1,000〜3,000名規模のアンケートを約5日で設計・実施・回収してコンテンツ制作を始めるようなイメージで、従来の期間と比較すると1/10程度になっています。現在はアンケート実施後、最短1ヶ月ほどでコンテンツを公開できるようになり、今後もコンスタントな情報発信が図れると考えています。コンテンツの鮮度は話題性に大きな影響を与えるので、スピードはそれだけで価値になると感じています。
冒頭でお伝えした通り、現在、Freeasyは自社の採用サービスのプロモーションとクライアントのマーケティング支援に活用しています。
自社の採用サービスのプロモーションでは、オウンドメディアで発信するコンテンツの一次情報取得方法のためにアンケート調査を実施しています。過去にFreeasyを活用して作成した「中途採用における採用サイトの利用実態調査」の公開後は、資料ダウンロード件数が一時的に増えました。ただし、弊社としてコンテンツは直接的なリード獲得を促すものではなく、「採用に強い企業」というイメージを定着させる中期的な資産として活用していきたいと考えています。
また、採用にまつわる課題は業界や業種、企業規模によって異なります。そのため、採用マーケティングを提供する企業にとっては「新卒」「クリエイター」など、得意とするジャンルがあるかどうかが想起のされやすさに影響を与えると考えています。ですので、弊社でもそれぞれのジャンルごとに転職活動に関する求職者の意識調査をおこないノウハウを蓄積しているところです。転職者全般を対象とした調査は多いものの、業種ごとに踏み込んだ意識調査を行っている企業はあまり多くないので、公開できれば差別化が図れると期待しています。
◆Freeasyで作成したアンケートの例
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クライアントのマーケティング支援では、主にターゲットである顧客の分析をするためにFreeasyを活用しています。例えば、直近ではクライアントであるA社の製品を購入した顧客には「どのポイントに惹かれて購入を決めたのか」「他社の製品は認知しているのか」、さらに競合B社の製品を購入した顧客に対しても同じ質問を行うことで、消費者がどのような軸で購買をしているのか・その時に想起されるブランドはどこかを分析しています。その結果クライアントの顧客への理解が深まり、広告やLPを活用したセールスプロモーションで訴求すべきポイントも見えてきました。現に制作を担当させていただいたクライアントのキャンペーンサイトのキャッチコピーには、Freeasyで得た気づきを反映しています。
セルフ型ツールなので、サポート体制はそこまで手厚くないと想定していましたが、実際には想像以上の支援を受けられて驚いています。Freeasyは直感的に操作できるシンプルなUIで、基本的な画面作成はスムーズに進められました。ただ、設問設計の際は「この聞き方で必要な情報が得られるのか?」と悩むことがあったので、相談してみると非常に丁寧な回答をいただきました。
特に印象的だったのは、営業担当者による的確なアドバイスです。例えば、ある調査で世代ごとに均等な割合で合計1,000名分のデータを集めようとした際「集まりにくい年代が出てくる可能性が高いので、まず800名に調査をおこない、不足している年代に追加調査をして1,000名を目指しましょう」と提案していただきました。こちらの考えに同意するだけでなく、このような忌憚のない意見を述べてくれる点はとてもありがたいです。
引き続きクライアントのマーケティング支援や自社コンテンツ制作の一次情報の収集に活用していきたいと考えています。Freeasyを活用した採用に関するコンテンツ発信を強化し、採用市場でのポジションを確立していきたいです。
また、調査結果を営業ツールやコンテンツとして活用するだけでなく、そのテーマをもとにセミナーを実施するなど、データのさらなる有効活用を進めていく予定です。
「根拠あるデータに基づく意思決定をしたい」「感覚に頼らない消費者理解をしたい」と考えている方にとって、Freeasyは有益なサービスだと感じています。
調査を実施する際、つい色々なことを聞きたくなってしまいますが「足るを知る」という意識で設問設計をおこなうのがカギです。設問が多すぎると回答者の負担が増えるだけでなく、分析作業も複雑になります。厳選した質問で本当に必要な情報だけを得るようにして、今後も質の高いデータの獲得とスピーディーな発信を両立していきたいと思います。
※本記事の内容は2025年2月の取材をもとにしています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
株式会社ベイジ
会社概要
2010年創業。顧客の成功を戦略から共に考えるコンサル型Web制作会社。BtoBや採用のWeb制作を起点に改善コンサルティング支援なども展開。特に採用マーケティングには豊富な実績があり、自社の採用サイトでも年間140件の自然応募を実現している。