富山県に本社を置く池田模範堂様は、一世紀以上にわたり「ムヒS」をはじめとするさまざまな医薬品の製造・販売をおこない、世に届けています。
医薬品業界特有の表現ルールがあるなか、同社では、効果的な訴求方法を模索し効果を検証することを大切にしてきました。しかし、従来の大規模な市場調査では、費用や時間がかかるため、仮説段階での柔軟な検証が難しいという課題を抱えていたそうです。
セルフ型アンケートツール「Freeasy」の導入により、「お客様がどのような言葉や表現に共感するか」「どの訴求が最も効果的か」を、スピーディーに調査・検証できるようになったといいます。
今回は、規制を遵守しながらも効果的なプロモーションを実施している営業部 市場開発室の渡邉様にお話を伺いました。
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当社では、夏・冬の各シーズンの終わりに大規模な定量調査を実施し、消費者ニーズやプロモーションの評価を確認しています。医薬品業界には特有の法律や事情による市場調査の難しさがあり、お客様の実態や響く訴求方法を模索するためには、調査データを用いた客観的な評価を行う必要がありました。
年2回の大規模調査を外部の調査会社に依頼していますが、従来の方法には大きく2つの課題がありました。
1つ目の課題は、1回の調査にかかる期間が長いことです。
1回の調査に1ヶ月、長くて3ヶ月以上を要する場合があり、ちょっとした仮説の検証をスピーティーに行うには向いていないということがありました。調査会社や代理店などの外部業者とのやり取りがあるので、意図を正確に伝えるプロセスや承認作業にどうしても時間がかかります。
2つ目の課題は、1回の調査にかかる費用が高額なことです。
限られた予算内で実施できる調査回数が制限されてしまい、定量調査は基本的に年に2回の実施でした。そのため、追加の検証を少しだけ実施したいといった柔軟な対応が難しかったのです。
こうした調査期間や費用の面を気にせず、「仮説の段階で少しだけ知りたい」などの小規模な調査を、もっと柔軟に実施できたらと考えていたのです。
別の部署で以前Freeasyのサービスを利用していたことがあり、そのつながりでご提案いただきました。他社様での活用事例を紹介していただいたことが、Freeasyに興味を持つきっかけとなりました。
決め手は「柔軟性」と「モニター数」です。
大規模な調査を行う下準備となる仮説段階の検証を、気軽に実施できる柔軟性が魅力的でした。夏・冬に実施している大規模調査の補完として、小規模な調査をスピーディかつ低コストで実施できる柔軟性が Freeasyならではと感じました。
まさに、実現したかった「この仮説はどうなのか」を気軽に検証できる点が良かったです。仮説が有望と判断された場合、次の大規模調査にその仮説を反映することで、効率的かつ精度の高い調査プロセスが実現します。
モニター数の多さと、ユーザー属性での絞り込みができる点もFreeasy導入の決め手の一つでした。
Freeasyは、年齢・性別・居住地・お子様の有無など9つの基本的なユーザー属性※があらかじめ登録されているので、スクリーニング項目を入れずに、すぐに属性を絞り込んで調査を実施できます。
※9つの基本属性…年齢、性別、結婚、居住地、職業、業種、子供有無、世帯年収、居住形態
また、過去に特定の商品を購入したユーザーや、特定の条件に該当する対象者を追跡し再度調査を実施できる「モニタリスト機能」もプロモーションに役立つと感じました。
まず、医薬品業界特有の規制を遵守しながらも効果的なプロモーションのヒントが得られるようになりました。
口コミやレビューが得られにくく、広告に使うことができないという医薬品業界特有の規制があるなか、「お客様の実態把握やお客様に響く訴求」をスピーディーに調査・検証できるようになったのは大きかったです。
また、自社商品と他社商品との価格差がお客様の購買意向に与える影響を検証し、小売店様への提案売価の根拠データとして営業資料にも活用しています。
質問内容や調査設計が自社内で完結するため、調査をスピーディーに実施し、販促のタイミングを逃さないようになった点にも効果を感じました。「翌日の朝に結果を出したい」などの短納期な調査では、 Freeasyのスピード感を重宝しています。他部署からも「こんなに早くデータが手に入るのか」と驚かれるほどです。
次に、費用が抑えられ、調査のハードルが下がった点もFreeasyを導入した効果の一つです。Freeasyは、1人あたり1問10円と費用が明確なので、予算超過のリスクが低減し、稟議プロセスも円滑化しました。複数メンバーで利用状況を共有し、予算設定もできるので、管理がしやすいのも嬉しいポイントです。
加えて、1回の調査コストが低いため「失敗を恐れず」気軽に調査ができるようになりました。少ない質問数での仮説の検証や追加調査が柔軟におこなえるようになり、1発勝負の心理的な負担から解放されています。
また以前は、多くの設問が回答者の方の負担にならないか懸念していましたが、現在はピンポイントで知りたい内容を調査できるようになりました。回答者の皆様の負担を抑えながら、より効果的なデータ収集が可能になっています。
Freeasyはアンケートの設問タイプが豊富なので、知りたい情報や希望設問数に合わせて最適な形式を選択できる点が便利だと感じています。
画像の添付やランダマイズ表示(選択肢の提示順をランダムに表示する機能)、表頭or表側の選択肢表示の設定など、回答画面の細かな調整が可能で、より使いやすい調査画面を作成できる点もメリットです。
また、セルフで調査設計ができることで、私たちの設計や質問の作り方のスキル向上にも繋がりました。設問順や設問形式が回答に与える影響を実感し、「この質問には、どの設問タイプが最適か」「回答者の視点で見たときに、分かりにくい点はないか」といった多角的な視点で調査設計ができるようになったことで、調査設計の精度が高まりました。
さらに、Freeasyの共有機能を活用することで、調査内容や結果をチーム全体で共有し、スムーズな調査運営を実現できるようになりました。
導入後もFreeasyの担当者からのサポートがあり、質問設計の矛盾や回答画面の見やすさなど、修正のアドバイスをもらえるので初心者でも安心して利用することができます。
今後は、Freeasyの画像回収機能※を活用し、やや定性寄りの調査にも挑戦していきたいと考えています。例えば、ユーザーの方々に薬箱の写真や商品使用状況(減り具合など)を撮影していただくといった活用が考えられます。
この機能を使えば、グループインタビューやデプスインタビューを実施しなくても、手軽にデータ収集が可能です。常備薬のラインナップや製品の利用状況について、このような視覚的なデータから、これまでにない新たな洞察を得られるのではないかと期待しています。
さらに、Freeasyで得られたデータを営業資料にも活用していく予定です。例えば、小売店のバイヤーや医薬品の卸業者に対して、信頼性が高く説得力のあるデータを用いて商品の魅力を伝えていきたいと考えています。
※Freeasy 画像回収機能はオプションとしてご用意しておりますので、詳細はお問い合わせください。
※本記事の内容は2025年1月の取材をもとにしています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
株式会社 池田模範堂
会社概要
1909年、富山にて創業。「ムヒS」をはじめ「虫さされ・かゆみ止め」「かゆみ治療薬」「肌トラブル用商品」「お子さま向け商品」といった多くのOTC医薬品を製造・販売。地域社会に貢献しながら、健康の喜びと生きる感動を創り出す存在を目指しています。