日用雑貨品・食品容器・成型品の製造・販売をおこなう東洋アルミエコープロダクツ株式会社。レンジフード・換気扇・通気口用のフィルターである「フィルたん®︎」は、30年にわたり進化してきました。しかし、従来の調査会社への委託では、長いリードタイムと高コストが課題となっていたといいます。
そこで、セルフ型アンケートツールの「Freeasy」を導入したところ、コストパフォーマンスに優れ、気軽に、素早くアンケートが実施できるようになったそうです。
今回は、コンシューマービジネスユニット マーケティングチームのお二人にお話を伺いました。
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当社のコンシューマービジネスユニット マーケティングチームは、市場調査、商品企画、販促企画までを一貫して担当しているチームです。コンセプトやパッケージのデザイン、キャッチコピーの企画を検討するためにアンケート調査を活用しています。
以前は試行錯誤が求められるコンセプト調査も外部調査会社に依頼していましたが、大きく3つの課題がありました。
まず1つ目の課題は、調査結果が納品されるまでが長く、コンセプトの磨き込みが停滞してしまう点です。
コンセプト調査を調査会社に依頼すると、最短でも10日はかかる状況で、場合によっては、1ヵ月という長い納期になることもありました。そのため、コンセプトのブラッシュアップに充てる時間が思うように取れないこともありました。
課題の2つ目は、高コストで試行調査が難しい点です。
コンセプト調査は、規模や内容にもよりますが1回の調査に多額の費用が発生する場合もあります。
商品コンセプトやパッケージデザインの企画の精度を上げるためには、調査内で画像やキャッチコピーを複数案提示することが理想です。そうした調査を複数回の調査できれば、さらに企画をブラッシュアップすることができます。
しかし実際には費用の制約により、必要なデータを得るための調査設計や回数を満足に実施することができませんでした。また、調査対象者の規模や属性を広げることが難しく、ターゲット層のニーズを十分に把握できないという点も課題でした。
3つ目の課題は、実際の調査画面をイメージした設計ができず、自分たちで設計を調整する自由度が限られていたことです。
従来の調査形式では、調査の設計と運用が調査会社に依存する形でした。調査項目などを自社でExcelにまとめたものを調査会社に渡し、その内容を基に調査が実施される流れだったのです。そのため、当社側ではスマートフォンでの見え方など、ユーザビリティの確認が難しいという問題がありました。
さらに、画像やキャッチコピーの提示方法を細かく調整することが難しく、調査会社に依頼する場合には、文章の改行位置や設問の流れなどの微調整に手間と時間がかかる状況でした。このプロセスが調査開始までの期間を延ばす一因となっていたのです。
得られたデータはCSV形式で納品され、クロス集計を行うツールは存在していたものの、調査設計自体を自社で完結する選択肢はなく、自由度に制約がありました。
Freeasyを知ったきっかけは、調査手法の改善を模索する中で、インターネット検索で発見したことでした。「セルフ型で調査設計を自分たちで自由に行える」という特徴が革新的だと感じ、興味を持ったのです。
Freeasyの担当者から提供された丁寧なサポートや、調査設計の自由度についての説明が導入の後押しとなりました。特に、具体的な調査票の設計方法や運用プロセスについての指導を受け、「これなら自分たちで使いこなせる」という安心感を得たことが導入の決定打でした。
コンセプト調査、パッケージデザイン調査、キャッチコピー調査、生活者の実態調査、社内アンケート、ファンミーティング後のアンケートなど幅広く活用しています。
例えば、パッケージデザインの調査では、まず商品イメージを文章で伝え、生活者にその印象や購入意欲を5段階評価で伺います。「どの部分が魅力的か」などの質問で、生活者のニーズを深く掘り下げ、その結果を基にデザインやメッセージをブラッシュアップします。
また、「FreeasyASP」というメニューを活用し、自社のLINE会員にもアンケートを実施しました。
導入後は、1日以内で調査が完了し、スピーディーな意思決定を実現できました。
従来の調査会社では調査票の設計からデータ収集、結果の納品までに最短でも10日を要していたという課題がありましたが、Freeasyでは最短1日で完了します。
調査票を作成して朝に発注をおこなうと、その日の午後には調査が開始され、夕方には約100人分の回答データが収集できたこともありました。
2つ目の効果として、1回あたりのコスト削減で複数案の提示・複数回の試行調査が可能になった点があります。
調査費用が従来の10分の1以下に削減されたことで、多頻度で調査を実施できるようになりました。気軽に試行調査を繰り返し実施できる環境が整い、商品コンセプトやパッケージの企画でブラッシュアップを重ねやすくなったのは非常に大きな効果です。
3つ目の効果は、自分たちで調査の設計ができるようになった点です。自分たちで調査設計や質問の精査、画面設計などができるとは思っておらず、革新的だと大変驚きました。改行や文字数、画像の配置なども自由に設定できる点が便利だと感じています。
コストを抑えられ、かつ調査画面を自分で設計できることで、結果をより効果的に得られると感じました。例えば、フィルたん®︎シリーズの一つ「アレルブロック®︎フィルター」のリニューアルの際に、名称を変更すべきか判断する場面でも、「視覚的な要素」を組み合わせた柔軟な調査設計が役立っています。
具体的には、文章でコンセプトを提示した後、視覚的な要素(キャッチコピー、画像)を提示する方法で調査を進めました。「どのデザインが最も目立つか」「どのパッケージが購入意欲を喚起するか」「提示されたコンセプトに最も合うデザインはどれか」などセルフで柔軟な設計を組むことができたのは、決められた費用の中で多くの画像を回答者に提示できるFreeasyだからこそです。
調査は1つのシリーズで複数回に及ぶこともありましたが、スピーディーに進められたことも嬉しい効果です。
画像を駆使した柔軟な調査設計のおかげで、生活者視点に立ったデザインやメッセージを取り入れることができました。Freeasyの調査結果を最終判断の根拠としたことで、生活者の皆さまから見たわかりやすさと信頼性を実現でき、他社製品との差別化にもつながっていると感じています。
他部署から異動してきた調査をおこなったことのないメンバーでも、スムーズに調査を開始できたことも想定外の効果でした。特別なスキルは必要なく、調査初心者でも画面の指示に従うだけで簡単に調査票を作成できるので、異動してきてから1年半の間に数十件もの調査を実施できたほどです。
その要因として、まず、Freeasyの調査票をチーム内で簡単に共有・コピーできる機能が非常に役に立ちました。
以前は調査結果が担当者ごとに個別に管理されており、他の担当者がその結果にアクセスすることができませんでした。Freeasyでは、調査票や結果をチーム全体で簡単に共有できるため、過去の調査結果をチーム内に蓄積し、商品開発に生かすことができます。
具体的には、「使いたい・ぜひ使いたい」という選択肢に一定数の支持を得た場合に合格とするチーム共通の判断基準を設け、顧客ニーズと反応を定量的に把握、商品化の判断の一つにしています。
Freeasyのサポートが非常に親切で、設計内容をサポートしてもらい学びながら改善できた点です。
商品特徴やブランド名が長い場合の改行処理については、Freeasyの担当者さんから教えてもらった方法を使って、HTMLの知識がなくても自分で対応できるようになりました。
調査設計後に自分が作成した内容を添削してもらった際には、担当者さんが非常に丁寧に、わかりやすく改善点を説明してくれたことにも感動しました。
Freeasyの利便性を活かし、「フィルたん®︎」のミッションを実現に向けて取り組んでいきます。
「フィルたん®︎」の掲げるミッションは「世の中のすべての空気の通り道にフィルターを取付けることで、世界の空気に関する不満や問題を解決し、おうちの空気環境をキレイにする」ことです。今後は海外への市場拡大を目指し、Freeasyで海外の生活者の方にも調査できるようになったら嬉しいです。
これからも、このミッションを遂行していくために、Freeasyを通して生活者の皆さまの声を聴きながら、遊び心を持った新市場創造型の商品開発をおこなっていきたいと考えています。
※本記事の内容は2024年12月の取材をもとにしています。記事内のデータや組織名などは取材時のものです。
東洋アルミエコープロダクツ株式会社
会社概要
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