アンケート開始前の最終準備が重要な理由

アンケートのウェブ画面調査票が完成すると、続けて実施に向けた手続きを行う工程に入ります。この工程は事務的な要素が多いからか事前に軽視されがちですが、「こんなに直前にやることがあるとは…」と、準備不足で後悔する声もよく耳にします。

今回のテーマは「アンケート開始前の最終準備」です。主にユーザーアンケートの実務を担当されている方を念頭に置いて、アンケートの告知や案内で使用する「前文の書き方」「テスト回答のポイント」「配信対象者の設定方法」を解説していきます。

解説するのはリサーチャーの菅原大介氏です。

👤講師:リサーチャー 菅原大介氏について

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アンケート前文で調査の趣旨と条件を明確に伝える

│アンケート前文に記載すべき基本項目

アンケート画面のトップには、アンケートの前文を記載します。前文では、アンケートテーマを明記する、質問数や回答の所要時間から回答負荷イメージを明記する、謝礼がある場合には規定を明記する、などの措置を通じて実施趣旨を簡潔に伝えます。

│メルマガ・告知文での案内時のポイント

メルマガや記事LPを通じてアンケートの告知を行う時は、実施要項をより詳細かつ簡潔に記載します。お客様向けの案内になるため委細はお勤めの組織が定めているポリシーと調節して欲しいのですが、基本的なルールは以下を参考にしてみてください。

実施者の立場を明記にする(部門/事務局/担当)

まず、名乗りや発行人の箇所では、アンケート実施者の立場を明記します。多くのケースでは事業部やCSの部門名となりますが、プロジェクト案件の場合には運営事務局名になったり、小規模な組織体の場合には担当者名になったりすることもあります。

終了時間を明記する(または早期終了の可能性を予告する)

アンケートの実施期間は終了時間まで明記します。終了日までの記載だと、特に謝礼との兼ね合いで損得勘定を刺激してしまって後から苦情につながることがあります。どうしても回収状況次第で判断したい場合は、早期終了の可能性を記載しましょう。
※ただし、調査内容に対して恣意的なタイミングで終了時間を区切るのはもちろんNGです。

テスト回答を行い調査品質を担保する

アンケート画面が完成したら、実施前に必ずテスト回答をしましょう。自分が回答する立場になってみると見づらい箇所が出てきたり、第三者の目を借りることで誤解が出そうな箇所を発見できます。テスト回答時にチェックするポイントは次の通りです。

│回答所要時間の確認

テスト回答を行う時は時計やタイマーで回答時間を計ります。回答体験的には自分自身でテスト回答することが必須ですが、当然自分で作成したアンケートは隅々まで設計を理解しているため、一般の人が回答するより早い回答時間になる傾向があります。

そこで、同僚など第三者に協力してもらい、初めて見る人が質問の意味を汲み取って選択肢を選び出すまでの時間を把握するようにします。協力者のテスト回答は送信まで完了してもらえば、ツールによっては回答時間を自動計測して表示してくれます。

テスト回答で得られた回答の所要時間はアンケートの前文に反映させていきます。もし一般的なアンケート内容で回答時間が15分を超えるようなら、アンケートの告知上も回答上もハードルが上がるので、設計を軽くできないか再度見直してみましょう。

│ページ遷移・分岐設定の確認

テスト回答の内容面で注視したいのはページの遷移です。特に回答者指定を設定した質問が正しく表示されているか、質問の対象者の場合とそうでない場合とで、すべてのシナリオをチェックします(調査会社でも最もミスに気をつけている箇所です)。

また、同じくウェブ画面調査票の回でお伝えしたように、大型のマトリクス質問・複数回答で選択肢が多い質問・重要な位置づけの自由回答質問などは単問で表示して、それ以外ではできるだけトピックスごとの画面分岐になっているか確認しましょう。

回答者のステータスによって様々に質問を出し分けるような設計になっている場合、担当者が一人でテストする負荷は高いため、購入者役と非購入者役あるいは利用意向ありの役となしの役など、ロールプレイ方式で作業を分担すると負荷を軽減できます。

│質問文・選択肢の文字表記チェック

アンケートは他者に発信したり公表したりする前提に立つ業務なので、通常よりも作成者の注意力は高い状態で作られます。一方でそれゆえに、初期状態の完成度が高いことで間違いに気づきにくくなる面があり、校正のダブルチェックを必要とします。

特に間違いやすいのは、アンケートの作成中に質問文や選択肢の一部を切り貼りして移動させた箇所です。移動箇所の前後の要素まで切り取ってしまったり、移動した先で変な形で割り込んでしまうミスが起きやすいので、協力者に指摘してもらいます。

また、文字校正ではアンケートテーマに詳しくない人に回答協力してもらうことも重要です。作成者は概ねテーマについて詳しい場合が多く、つい専門用語を使ってしまいがちです。一般回答者と知識差が出てしまっていないかチェックを受けましょう。

│スマホ画面での表示確認

テスト回答は端末を変えて行うことも重要です。私たちがアンケートを作成する時は画面が広いPCを使うのが一般的ですが、アンケートの回答端末は半数以上がスマホにシフトしているので、チェック時はむしろスマホ画面での見え方を基準に判断します。

特にスマホ画面で確認したいのは選択肢です。選択肢の数が多い場合、選択肢間を行き来して比較するのが大変ですし、選択肢の文が長い場合、頻繁に自動改行が起きて読みづらくなります。PCとの見え方がまったく異なるので注意して確認をしましょう。

以上がテスト回答時にチェックするポイントです。もちろんテスト回答の結果はアンケートツールの回収経過画面でチェックしてください。たとえば、全員回答の質問のはずなのに回答がゼロになっているなど、設定のミスに気づくきっかけにもなります。

こうした設計の誤りにも気づく観点からは、テスト回答数は最低3件以上あると安心です。テストと言うと問題なく遷移して回答送信までできるかという作業的な印象がありますが、複数の回答データがあると実際の調査結果イメージもつかむことができます。

配信対象者を調査目的に合わせて設定する

│配信対象者設定の基本的な考え方

アンケートツールを使って自社でユーザーアンケート(会員調査)を実施する場合、開始前にアンケートの配信対象者をリストアップする必要があります。自社で配信リストを抽出したり、システムで配信対象者を設定する時の考え方は次のようになります。

基本となる考証要件は3つあります。属性要件や行動条件などの顧客構成の偏りをどうするか?、ユーザー登録時期の新旧比をどうするか?、自社内・業界内でのサービス併用状況の有無をどうするか?―これらの要件を軸に考えると判断がまとまります。

│内製調査と外注調査での対象者設定の違い

内製調査の場合は、顧客構成の偏りを活かせる(ありのままに分析する)、登録時期がフレッシュな顧客に強い(新規顧客)、自社の併売実績条件での抽出に強い(クロスセル顧客)などの特徴を上手く活かすと、会員調査ならではの調査データになります。

一方で、利用頻度がそれほど高くない商品・サービスや、アクティブユーザーの主力が新規というケースでは、利用経験が浅いがために充実した回答や代表性のある回答が集まりにくい懸念もあります。そういう時は外部パネルの利用も検討しましょう。

外注調査の場合は、顧客構成の偏りをならせる(性別・年代・地域確保)、登録時期が古い顧客もカバーできる(顧客層全体)、他社の併行利用条件での抽出に強い(競合利用顧客)などの特徴があり、市場全体を基点としたバランスを取ることができます。

どちらの方法が良い・悪いということはありません。調査のねらいに合った対象者を設定しましょう。

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安心してアンケートを開始するために

アンケート開始前の最終準備は、トラブル防止の要です。テスト回答や配信条件の確認を怠ると、後戻りが難しくなります。

Freeasyでは、開始前の確認作業を一連の流れで行えるため、初めてのアンケートでも安心して実施できます。設計から実施までを安全に進めたい方は、Freeasyのサービス紹介資料も参考にしてください。

本シリーズで学べるアンケート設計・実務ノウハウ

本シリーズでは、アンケート設計から実査直前までを「完全体系化」し、企画書・調査票をはじめとする、調査活動で必須となる代表的なアウトプットに関するノウハウを解説しています。

各記事はそれぞれ独立して読める構成になっていますが、シリーズ全体を通して読むことで、アンケート業務を実務レベルで一貫して理解できるよう設計されています。

📚記事一覧(調査票編)

1.質問数

2.回収数

3.企画書

4.共有情報

5.ツール導入

6.運営体制

7.質問リスト(設問設計の骨格)

8.質問タイプ(形式)

9質問文作成(文章)

10.選択肢作成(中身)

11.ウェブ画面調査票(UI)

12.開始前の最終準備(最終回)

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